中古マンションの購入で住宅ローンは組める? 控除は使える?

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中古マンションの購入を検討するとき、「新築と同様に住宅ローンを使いたいけど、利用できるのだろうか」と心配される方も多いでしょう。

また同時に、「住宅ローン控除も利用できるのだろうか」と疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれません。

新築マンションの価格が高騰している現在、中古マンションの人気も高まっています。
一方で、中古マンションでの住宅ローンについて、不安や疑問を感じている方も少なくないようです。

この記事では、中古マンションで住宅ローンを組む場合の注意点や、住宅ローン控除の利用条件、ローンが通りにくい物件などについて詳しく解説いたします!

2015/12/27初出→2019/12/3更新→2021/9/3更新→2022/7/6更新

物件費用以外にかかるお金

中古マンションを購入しようとするとき、物件そのものの価格以外に、どんな費用がかかるのでしょうか。まずは、中古マンション購入に関わる費用について詳しくご紹介します。

仲介手数料

中古物件を探すときは、不動産会社に依頼して一緒に探してもらうというのが代表的な方法でしょう。マンションを売りたい側の所有者も、不動産会社に仲介を依頼していることが多く、直接売主から購入する場合以外は、物件のマッチングや契約・決済・引き渡しのサポートに対する手数料を不動産会社に支払うことになります。これが仲介手数料です。

金額は以下の計算式で算出した金額と定められています。

  • 物件価格×3%+ 6万円+消費税

リノベーション費用

新築の状態に近くて、自分の好みに合ったリフォーム済物件が購入できる場合は別ですが、この記事を読んでいる多くの方は、「中古物件を購入して自分好みにリノベーションしよう」と考えているのではないでしょうか。

その場合、当然ながら物件購入価格と諸費用に加えて、リノベーション費用がかかることになります。

また、購入時は物件自体や間取りに問題がなくても、数年経って設備や外壁が劣化したり、子どもが独立したことによって4人から夫婦2人暮らしになった……など、ライフスタイルの変化も起こるかもしれませんね。そうなると、やはりリノベーション費用が必要になるケースも出てくるはずです。

どのような中古物件のケースでも、「いずれはリノベーションを!」と想定して、予算を組んでおくと安心ですね。

ローンの契約にかかる費用

中古マンション購入とそれに伴うリノベーションをおこなう場合、住宅ローンの利用を検討する方も多いはず。ここでは、ローンを利用する場合にかかる諸費用についてご紹介します。

事務手数料

金融機関に支払う、住宅ローンを組むための手数料。金額は金融機関によって異なる。

保証料

住宅ローンが途中で返済不能となった場合、保証会社が代わりに残債を金融機関に一括で、代位弁済する。代位弁済後は保証会社に返済を行うこととなる。そのための保証料。金額は金融機関や融資金額によって異なり、一括支払いのほか、住宅ローンの金利に組み込める金融機関もある。

団体信用生命保険料

住宅ローンを組むために、多くの金融機関では団体信用生命保険(団信)への加入を義務付けている。そのための保険料。通常は住宅ローンの金利に含まれており、別途支払いの必要はないが、一部の金融機関で例外もある。

火災保険

住宅ローンを組むために、多くの金融機関では火災保険への加入を義務付けている。そのための保険料。金額は保険会社や保障内容によって異なる。

登録免許税

登記手続きの際に国に納める税金。所有権移転登記、抵当権設定登記に課税される。税額は、所有権移転登記は土地や建物の評価額に、抵当権設定登記は融資金額に応じて決まる。

印紙税

契約手続きに際して納める税金。売買契約、ローン契約にそれぞれ課税される。印紙を貼って納める。税額は契約金額に応じて決まる。

中古マンションでも住宅ローンは組める

結論からいうと中古マンションの購入においても、新築と同様、住宅ローンを借りることが可能です。どの金融機関でも、原則的に中古と新築の区別は設けておらず、新築と同じように住宅ローンを組むことができます。

また諸費用やリフォーム・リノベーションの工事費用も、金利の低い住宅ローンに含めて、まとめて借入が可能な金融機関が増えてきました。
それだけ中古マンションを購入して、リフォームやリノベーションをする人が増えてきているということです。

ただし、ローン審査においては中古特有の注意点もあります。

借入金額や返済期間に制限がつく場合がある

中古マンション、とくに「建築して年数が経つマンション」は担保評価額が低いと見なされ、借入可能額が低く抑えられる傾向があります。
金融機関が住宅ローンの審査する基準は、端的にいえば借入する人の年収や勤続年数などの属性と物件の担保価値です。

担保価値とは、債務者がローンの返済ができなくなった場合に、物件を売却することで貸したお金を全額回収ができるか?という価値のことをいいます。
築古マンションの場合は、融資額を多くすると回収しきれない恐れがあるため、融資額を抑えることになります。

また返済期間について、築古マンションは建物の耐久性の点から、新築より短く設定する金融機関もあります。
近年中古マンションを買って、リフォームやリノベーションをして住みたいと希望する人も多くなってきています。

その場合は、リフォームローンを借りるより、リフォームやリノベーションの費用も含めて住宅ローンを借りた方が、金利を低くおさえられます。

しかし中古マンションの住宅ローンは、特に旧耐震物件の状態によっては返済期間が短くなる可能性もあるので、その点は気を付けなければなりません。
一般的に借入金額や返済金額については、住宅ローンを借りる人の返済能力(年収や住宅ローン以外の借入状況)によってカバーできます。

審査基準は金融機関ごとに違いがありますので、自分の属性や担保物件をよく考えて銀行を選ぶことが大切です。

 なお、年収別に借りられる金額については、下記の記事でシミュレーションができます。併せてごらんになってみてください。

フラット35は耐震評価基準を満たす必要あり

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)のフラット35は、融資の条件として「技術基準」が設けられています。

技術基準とは、 都市の開発許可制度において公共施設の整備や防災上の措置が講じられているかの基準のこと。その基準に関して、中古マンションで問題となりやすいのが、耐震評価基準です。

現行の新耐震基準がスタートしたのは、1981年6月1日。

したがって、建築確認日が1981年6月1日以降であれば、耐震性要件の問題はないのでフラット35の利用が可能です。

しかし、1981年5月31日以前の旧耐震基準で建築された物件は、機構が定める耐震評価基準に適合していないと、融資は認められません。

なお、この耐震評価基準はあくまでフラット35の要件です。条件から外れてしまっても、民間金融機関の住宅ローンを利用すればOK。

フラット35とは

フラット35は、住宅金融支援機構と提携した民間の金融機関で利用できる長期固定金利の住宅ローン。低金利で保証料や保証人が要らないなどのメリットがあります。

ローンが通りにくい物件もある

金融機関が住宅ローンの審査を通すための重要なポイントは、物件の担保価値にあります。

次に挙げるような物件は、高い価格で売却し融資した資金の回収するのは難しいことから、住宅ローンの審査には通りにくいといえるでしょう。

旧耐震基準の建物

1981年6月1日以前に建設されたマンションは、旧耐震基準に基づくもの。そのため、住宅ローンの審査の際に大きなマイナス要因になります。
旧耐震基準の建物の担保評価額は低くなりやすい傾向で、売却価格を割り込み担保割れの状態では、担保評価額までしか借りられません。

ただしフラット35の適合証明書を取得できればローンを組むことが可能です。

再建築不可の物件

再建築不可物件は、火事や地震などで住宅を消失したときに、新しく建物を建てることができません。
そのため、もしローンを組んで住宅を購入した場合は、消失した住宅のローンの返済と新居の家賃負担で生活ができなくなる可能性が大です。

そのような大きなリスクのある物件に対して、金融機関が融資を行うことはありません。
建ぺい率や接道義務など、建築基準法の基準を満たしていない再建築不可の物件は、住宅ローンは通らないと考えておいた方が良いでしょう。

借地権付きの物件

借地権付きの物件とは、他人の土地を借りて住宅を建てている物件のことをいいます。

借地権付きの物件で、土地を担保に住宅ローンを借りる場合には、土地提供者の許可を得る必要があります。(賃借権は抵当権を設定する際に自主承諾書が必要。地上権の場合は承諾なく抵当権の設定できる)

住宅ローンを借りた人が返済ができなくなった場合に、金融機関は物件を競売にかけて返済に充てなければなりません。

しかし借地権付きの物件は担保価値が低く、売却できない、もしくは安価でしか売れないこともあります。
住宅ローンを利用して借地権の物件を購入することは難しいため、金融機関にローンを組めるかどうか相談する必要があります。

住宅ローン控除は築25年以内の物件で使える

「中古マンションは住宅ローン控除が使えない」と思っている人が多いかもしれません。しかし、下記のような一定の要件を満たせば、適用することが可能です。

  1. 床面積50㎡以上で、そのうちの1/2以上が居住用である。
  2. 築25年以内である。
  3. (2を満たせない場合)耐震基準適合証明を受けている。

よく問題となるのが、2と3の項目です。

たとえ新耐震基準に適合している物件でも、マンションの場合、昭和56年12月31日以前に建築された住宅は耐震基準適合証明書が必要になります。

関連記事:住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、各年の借入残高の0.7%を10年にわたって所得税または住民税から控除される制度。控除を受ける人は、その年合計所得金額が2,000万円以下でなければなりません。

リノベーションのひかリノベでは、物件探しからリノベーション、資金計画までワンストップでお住まいづくりをサポートいたします。お客さま一人ひとりの働き方や収支の状況に合わせ、最適な金融機関やローン商品をご案内しています。

控除のご利用についても、「各要件を満たしているか?」「どの程度の融資が可能か?」といったチェックや、証明手続きのサポートもおこなっていますので、どうぞ安心してご相談ください。

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

櫨元 宏(宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー)

宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザーの有資格者。中古リノベから注文住宅まで、13年間におよぶ建築業界での営業経験をもつ。プライベートでは料理をこよなく愛する一面も(クックパッドにてレシピ公開中!)「食と住は生活の“根っこ”だと思います。キッチンへのこだわりを口にされるお客様は非常に多いです。一方で水廻りのリフォームは、物件によって制約も生じやすい部分。知識と経験をもとに『リノベ向き物件』をご紹介します」<

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