鎌倉の魅力とは？

神奈川県の南西部に位置する鎌倉市。
自然豊かで歴史ある鎌倉市は、年間約1,987万人（平成30年度）の観光客が訪れる日本を代表する観光地のひとつです。

人口約17万2千人（平成31年3月時点）、有名人も多く暮らす神奈川県鎌倉市の魅力をお伝えします。

自然のあふれる街

鎌倉市内には、鎌倉山、六国見山（ろっこくけんざん）、大平山（おおひらやま）などの豊かな自然を残す山があります。ハイキングコースも敷かれているため、自然を身近に感じることができます。

北鎌倉にある明月院（めいげついん）の愛称が「あじさい寺」であるように、四季折々の花の名所も多いです。市内のいたるところで楽しめる、四季のうつろいも魅力のひとつです。

鎌倉市には由比ヶ浜や七里ヶ浜といった海もあります。夏は海水浴客や花火大会のため、多くの人が訪れるスポットです。

休日は多くの人がサーフィンなどのマリンスポーツを楽しむので、海水浴のオフシーズンでも賑わっています。

歴史が根付いた風情ある街並み

昔から人々に愛され、住み継がれてきた鎌倉。
「古都鎌倉」の名残から、市内には国宝と国指定文化財が217件あります。歴史的な建物は、街のいたる所で見ることが可能です。

参考資料：鎌倉市

鎌倉市は昔ながらの風情ある街並みを残すために、全域の約55％が風致地区条例（※）に指定されています。
風致地区では新しく建物を建てる際や維持する場合に、敷地内の20％以上を木や生垣などで緑化することが必要です。
その他にも建物の高さ制限などが定められています。

鎌倉の風情ある街並みを未来につなげたい意識の高さが、美しい街並みを守っています。

※風致地区：自然的景観を維持するために、都市計画法第8条第1項第七号に定める地域地区。具体的な内容をその地区の知事が定め、地域ごとに条例があります。

引用：鎌倉市風致地区条例

鎌倉の住みやすさ

鎌倉の住みやすさや環境について解説します。

地理

神奈川県の南西部、藤沢市の東、逗子市の北西に位置し、南は相模湾に面しています。

鎌倉幕府が置かれた地として、「三方を低い山に囲まれた鎌倉」といわれますが、三方の山の外側の地域も鎌倉市内です。

街の中心部や海沿いは平坦ですが、山間の地域は坂道が多いです。

気候

鎌倉市の気候は、平成23年値で以下のようになっています。

• ・年間平均気温16.4度
• ・年間降水量1,372mm
• ・年間平均日照時間2,000時間

国内の47都道府県の平均値は以下のようになっています。比較してみましょう。

• ・気温　15.3度
• ・降水量　1,757mm
• ・日照時間　1,978時間

気温は国内で平均よりやや高め、降水量は平均より少なめです。
日照時間は国内平均よりやや長いです。

参考：鎌倉市の現所把握

治安

年間を通して多くの観光客が訪れる鎌倉。鎌倉駅周辺など、観光客が多い場所は様々な人が集まるので、治安が乱れるイメージをもたれることがあります。
ですが、旧市街エリアの飲食店の閉店時間は19時頃と早いため、夜中まで観光客が出歩くようなことは少ないです。

一方で、海沿いの国道134号沿いの街では、海開きや花火大会のシーズンはとくに多くの人が集まります。
海の家ではお酒類も提供されるため、酔っ払いなどの心配はあります。

鎌倉市全域で発生している犯罪の傾向として、最も多いのは空き巣や乗り物盗などの窃盗犯ですが、凶悪犯罪は起きることはまれです。

参考：鎌倉市/市内の刑法犯認知件数

雰囲気

自然に恵まれた歴史ある鎌倉は、どこかゆったりとした雰囲気です。
景観が統一された美しい街並みは、散歩しているだけでドラマのワンシーンのよう。住宅街のいたるところに、立派なお屋敷もあり、街全体に高級感があります。

四季折々のイベントも多いため、常に賑わっています。

鎌倉市は昔から文化人が多く暮らしていて、「平和都市宣言」を行った実績もある街です。「平和都市宣言」とは、核兵器の禁止と、世界の平和の実現を目指す都市のことです。多くの文化遺産を持つ鎌倉は全国の中でも早くに宣言を行いました。

交通

市内にはJR東日本、江ノ島電鉄、湘南モノレールが乗り入れています。
市内の鎌倉駅から東京駅までJR横須賀線・東海道線で乗り換えなしで約55分、新宿駅まで乗り換えなしで約1時間となっています。(Yahoo!JAPAN路線情報調べ)

バスは、江ノ電バス、京浜急行バス、神奈川中央交通が運行。
車の場合、主な幹線は、東京・川崎方面からアクセスする場合は環状2号線、横浜新道～国道１号線、国道246号線を通るルート、八王子・町田方面からアクセスする場合は、国道16号線、町田街道を通るルートなどがあります。

鎌倉市内を通る主な道路は、自動車専用道路が高速横浜環状南線、横浜湘南道路。
一般道は国道134号線、神奈川県道32号藤沢鎌倉線、由比ガ浜関谷線、神奈川県道204号金沢鎌倉線などがあります。

旧市街（鎌倉地域、腰越地域の市街地の低地部周辺）の道路は、平日でも渋滞気味なことが多いです。
お盆お彼岸シーズン、海水浴シーズンは、電車も道路も大混雑するため、住む人にとっては不便さを感じることもあるでしょう。

鎌倉の歴史

歴史ある鎌倉。
「鎌倉幕府」についてと、観光地としてどのように発展したかを解説します。

鎌倉幕府

「鎌倉時代」は鎌倉に幕府が開かれたことに由来します。
鎌倉幕府は源頼朝が1185年（諸説あります）に創立し、約150年間続きました。ここから、日本は本格的な武家政権の時代へと突入することになります。

源家3代と北条家が執権を行った鎌倉幕府。幕府が室町に移った後も、鎌倉には東国10カ国を支配する「鎌倉府」が置かれ、賑わいは保たれていました。

1455年に室町幕府との対立に敗れ、活気をなくした鎌倉は農業と漁業の村となりました。

観光地としての発展

江戸時代に入ると、鎌倉は参拝客が訪れる門前町（寺院の門前に発達した街）となりました。1685年には「新編鎌倉志」という地誌が刊行され、鎌倉の史跡めぐりや景色を楽しみに観光に訪れる町人が増えました。

日本を代表する観光地である鎌倉ですが、ここから今に至る鎌倉の観光地化は始まったとされています。

鎌倉のこれから

歴史ある鎌倉の、これからを担う試みについてお伝えします。

カマコンバレーとは

「カマコンバレー」とは、「ITを使って鎌倉を盛り上げて行こう」という目的の団体です。アメリカの「シリコンバレー」と鎌倉を掛けた名前になっています。

鎌倉の良いところは変えず、よりよくするためにアイディアを出し合い地域活性化に貢献しています。
ITに知見のある企業が多く参加しており、鎌倉の未来を担っている団体です。

参考：カマコン(Kamacon)

鎌倉の代表的なスポット

自然豊かで魅力あふれる鎌倉は、観光地として何度訪れても飽きないといわれています。そんな鎌倉の代表的なスポットをお伝えします。

鶴岡八幡宮（つるがおかはちまんぐう）

JR「鎌倉」駅、江ノ電「鎌倉」駅東口から徒歩10分の鶴岡八幡宮は、「八幡様」の愛称で親しまれています。
多くの神社仏閣がある鎌倉ですが、その代表といえるのが鶴岡八幡宮。この場所を中心に鎌倉の街は整備され、パワースポットとしても名高い場所です。

鎌倉名物で有名な「鳩サブレー」を販売している豊島屋本店も、鎌倉八幡宮近くにあります。

鎌倉大仏殿高徳院（かまくらだいぶつでんこうとくいん）

高徳院の大仏さまは、江ノ電「長谷」駅から徒歩10分ほどの場所にある鎌倉のシンボル的な存在です。750年以上の歴史があり、像高約11.3m、重量約121tの大迫力です。

胎内も見学することができます。

銭洗弁財天宇賀福神社（ぜにあらいべんざいてんうがふくじんじゃ）

銭洗弁財天宇賀福神社は、源頼朝が創建した金運アップのパワースポットとして人気の神社です。洞窟に湧く霊水「銭洗水」でお金を洗って使うと、ご利益があるとされています。

JR「鎌倉」駅から徒歩約20分のところにあります。駅から少し遠く、坂道もありますが、多くの参拝者が訪れる人気のスポットです。

小町通り

小町通りは、JR「鎌倉」駅東口の目と鼻の先から、鶴岡八幡宮までを繋ぐ商店街です。多くのお土産屋や、専門店、飲食店が軒を連ねています。

土日祝日はもちろん、平日も混雑して活気があります。
メディアで取り上げられた有名店も多いですが、ドラッグストアなど日用品購入に役立つお店も充実。
鎌倉を訪れたら必ず立ち寄りたいスポットです。

長谷寺（はせでら）

長谷寺は、あじさいと紅葉の絶景スポットとして人気のお寺です。江ノ電「長谷」駅から徒歩5分ほどのところにあります。

高さ9.18mの日本最大級の木造観音や、3体探すとご利益があるといわれている良縁地蔵など、見どころもたくさん。
経文を書き写す写経、仏さまの下絵を基に筆で写し描く写仏体験も人気を集めています。

由比ヶ浜（ゆいがはま）

由比ヶ浜は、JR「鎌倉」駅から徒歩で約15分、江ノ電「由比ヶ浜」駅から徒歩5分の場所に広がる海水浴場です。明治時代から親しまれてきました。

遊泳期間は、毎年7～8月。電車から徒歩圏のビーチとして人気を集めています。

朝日と夕日が美しい海岸として有名で、朝はさわやかな雰囲気、夕方はロマンチックな雰囲気を楽しむことができます。

明月院

JR「北鎌倉」駅から徒歩で約10分の明月院は、「あじさい寺」の愛称で親しまれています。境内には約2,500株のあじさいが植えられています。

本堂の丸窓（悟りの窓）からの幻想的な風景や、北条時頼の墓所、鎌倉最大の洞窟墳墓など見どころがたくさんあります。

歴史に触れながら癒される名スポットです。

鎌倉舞台の映画

ビブリア古書堂の事件手帖

三上延（みかみえん）氏によるライトミステリー小説シリーズが原作で、2013年にテレビドラマ、2018年にアニメーション映画と実写映画が公開されました。北鎌倉を舞台にしています。

「ビブリア古書堂」の存在はフィクションですが、作品内では北鎌倉駅のホーム隣の路地の向かいに存在しています。