暮らすと働くを紡ぐ「家族格子」
エリア | 神奈川エリア |
---|---|
家族構成 | ファミリー |
面積 | 100.30㎡ |
間取り | 3LDK → 2LDK |
テイスト | 和風,ナチュラル,モダン |
特徴 | キャットウォーク , 格子間仕切り |
リノベ費用概算 | 11,700,000円 |
家族がつながる格子間仕切り
どこにいても、お互いの気配が感じられる家――それがS様のテーマでした。
「たとえば書斎で仕事をしているときも、家族と完全に分断されてしまうのではなく、リビングで過ごしている妻や子どもと、同じ時間を共有している。そう感じられる家にしたかったんです」
玄関からバルコニーに向かい、斜めに伸びる格子間仕切り。
人影がほのかに感じられる格子の向こうには、子供部屋、寝室とウォークインクローゼット、書斎が並びます。床の段差と、建具の見切りも解消し、全室LDKからシームレスに行き来が可能です。
「面白い間取りですよね。もともとはリビングとひと続きの空間に書斎を設けたいという希望があって、一方でリビングの広さを確保したいという思いもあって……ふと斜めにスペースをとれないか、と考えたんです。とはいえあまり見ない間取りですし、どうなんでしょうと相談したら、なんと入口からザックリと斜めに空間を割ったプランが返ってきた(笑)でも決して奇をてらったわけではなく、スペースの無駄を省き、動線もしっかり考えられている。このプランを見て、ひかリノベさんにおまかせしようと決めたんです」
格子はすべて無垢材を使用。
天然木ならではの、やわらかな木肌の風合いが魅力の無垢材は、一方で季節ごとの湿度の変化によって収縮・膨張するというウィークポイントがありますが、横に補強材を入れることで、縦格子に歪みや反りが生じるのを防いでいます。
ランダムな配置は、もう一人(匹?)の家族である猫ちゃんのため。
「キャットウォークにもなるようにという提案で、壁面のキャットウォークと繋げる形でレイアウトしていただきました。うちの子も気に入ったみたいで、よくそこに上ったり、上ったまま眠ったりしています」
LDKからゆるやかに続く書斎スペース
家族団らんの中心となるLDKと、ひと続きの空間に設けた書斎は、ご主人のたっての希望でした。
「一般的には、書斎はむしろ外部から独立した空間にして、仕事に集中できるように……という場合が多いと思うんですが、僕の場合、仕事柄いつもアイデアを考えているところがある。それを『いま形にしよう』というときに、その度ごとに家族と分断されてしまうのではなく、お互いの姿が見えるところにいたい、と思ったんです」
壁に沿ってL字型に造作した、造り付けのデスクと書棚。スペースを効率的に活用し、空間を圧迫することなく、高い作業性と収納力を実現しました。
デスクにはキッチンカウンターと同じタモ集成材を使用し、LDKとの一体感を高めています。
デスク下の配線収納は、余った木材で制作したもの。ひかリノベからのささやかなプレゼントです。
LDKの主役となる大型キッチン
LDKの主役は、料理上手の奥様のこだわりがつまったキッチン。
将来はここで料理教室を開くことも検討しているとのことから、作業スペースを広く、左右どちらからも回り込めるレイアウトで、複数人での調理にも対応できるよう計画しました。
また、四方に視界を遮る壁を立てず、LDKの中心に配置したことで、キッチンから室内の全景を見渡すことができるようになっています。
調理中もお子様の様子に目が届きやすく、家族とコミュニケーションが取りやすいキッチン空間です。
キッチン前面から、向かって左手に伸びる形に造作した大型カウンターは、ダイニングテーブルとしてはもちろん、調理中は作業スペースとしても活躍します。
四人がゆったりと掛けられる広さで、来客時には前面に張り出した部分にも椅子を置けば、最大8人がカウンターを囲むことができます。
明るく温かみのある色、はっきりとあらわれた木目が印象的な、タモ集成材を用い、インテリアとしても主役級の存在感です。
収納はカウンター下と背面のキャビネット・吊り戸棚、さらにキッチン前面にも引出し収納を設けました。
LDKと一体となったキッチンは、食器や調理器具が見えてしまうと、部屋全体が雑然とした印象になってしまいがちです。
これだけ収納が多ければ、家族の食器、来客用の食器、カトラリー類、調理器具も、余裕をもって仕舞えます。
炊飯器や電気ケトル、オーブンといった家電類は、背面のキャビネット内に置き場を設け、リビングスペースからは目に入らないよう設計しました。
「子どもの成長とともに、食器も増えていきますよね。いまピッタリしまえるくらいだと、今後足りなくなるかもしれないということで、収納は大きく取っていただきました。以前はいただきものの食器など、箱に入れてしまいこんでいましたが、いまは全部棚に並べられるように。取り出しやすくなった分、使用する機会も増えそうです」