2019/7/18
災害に備えて、マンションで今できること
こんにちは。ひかリノベ五反田コーディネーター 坂田です。
今年の梅雨は長いですね。
九州や中国地方では、大雨で避難指示が出たりと、水害に生活を脅かされている皆さまの不安はいかばかりかと、心が痛みます。
天災は如何ともしがたいものがありますが、生活への影響は日々の備えで軽減できます。
近年では、不自由な避難所生活ではなく、在宅で避難生活が送れるよう、耐震補強をするマンションが増えてきています。
また各家庭でも、家具類の転倒・落下・移動防止であったり、食糧や飲み水の備蓄などを日常から用意して、災害時には住民間で協力していくことが推奨されています。
本日はマンションで今できる防災対策、日頃から意識しておきたい備えについてお話させてください。
マンションは建物の倒壊リスクが少ないため、震災時に被害が発生しても、建物内にとどまって被災生活を送る、在宅避難が基本となります。
有事の際にも安心して過ごせるように日ごろより防災について意識することが求められます。
防災という視点から探すマンション
地震に強い土地であること。
周辺よりも低い土地に建物が建っている場合、大雨の時に水が溜まりやすく、地盤が軟弱なことがあります。
また、造成地であれば、地面を平らにするため、「盛り土」や「切り土」を行なうので、特に「盛り土」の地盤では、軟弱地盤であったり、沈下が起こる事もあります。
地震に強い建物であること。
目安としては、昭和56年6月以降に建築確認済み証が発行されたマンションであれば新耐震基準となり、震度6強の地震が来ても倒壊をしないよう構造となっています。
それ以前の旧耐震基準マンションでも、耐震補強を実施することで対策を立てることが可能です。
自分でできる災害の備え
マンション住まいにおいて防災に関して、ご自分で気をつけておきたい防災の備えは、大きく4つございます。
家具の固定が出来ているか。
室内の被災で最も多いのが、家具の転倒による事故です。家具の固定は必ず実施するようにし、年に1、2回は点検をしましょう。
火災対策が出来ているか。
室内が火災にあえば、マンション内で被災生活を送ることが難しくなります。そのため、住宅用消火器はすぐに使える場所に準備をしておくことが大事です。
マンション全体での備えを把握出来ているか。
分譲マンションでは管理組合のほか自治会などが自主的な防災対策を実施していることが大半です。マンション全体の備蓄や防災マニュアルの確認など、マンションでの対策の内容をチェックしましょう。
家庭用に防災用品をそろえましょう。
マンションで食糧や生活用品、医療品などを用意してくれることが多いですが、大切なのは一人一人に適した防災用品を用意しておくことです。
また、水や食糧といった、消費期限のある備蓄は、使いながら補充していく方法がおすすめです。
日々使うものを多めにストックしておき、順次使うようにしましょう。
マンション全体でとりくむべき防災対策
防災組織の立ち上げ
災害時には居住者同士の協力が不可欠です。
防災組織を組織しておくと、いざというときに管理組合で備蓄している住民用の非常食や簡易トイレといった防災グッズを配布したり、避難時の安全確認などがスムーズになります。
避難時に配慮の必要な方の把握
マンションにはさまざまな方が暮らしています。
高齢の方、障害のある方、乳幼児、妊産婦、外国人(日本語の理解に不安がある方)など、災害時にとくに配慮が必要な方、そしてその際、協力が可能な方をマンション全体で把握しておくことで、有事の時に迅速に対応が出来るようになります。
住民名簿が名前のリストだけであるとか、そもそも何年も更新していないといったマンションも少なくないようですが、アンケート調査などを実施して、これらの情報を集約しておくことが求められます。
一方で個人情報保護の観点から、名簿の作成にあたってはあらかじめ総会で管理方法を定め、災害時以外使用・閲覧をしないこと、マンション外部への提供をしないことを徹底することも大切です。
防災マニュアルの整備
防災時にとるべき行動をあらかじめ周知しておくことで、混乱を防ぐことができます。
「地震発生直後」、「発生後3日後まで」、「発生後4日以降の復旧時」の3段階で、それぞれのタイミングで実施すべきことを事前に防災マニュアルとして作成しておくことが望ましいです。
備蓄品の整備
管理組合として、「共助」をするために以下のものを準備しておきます。
- ジャッキ
- バール
- のこぎり
- シャベル・スコップ
- 脚立
- 簡易トイレ
- 台車
- 担架
- ロープ
- 緊急医療セット
- コードリール
- 投光器
- 階段避難車
- 消臭剤・殺菌剤
食料品や飲料水については、必要に応じて個人だけでなく管理組合でも備蓄をしておきましょう。
避難場所等の周知
各自治体行政には、周辺の教育施設を中心に「地域避難所」が定められており、都が指定する「広域避難所」もあります。
マンションが倒壊するような被害にあい、居住が困難となった際に利用できる避難所として、事前に情報を取得しておくことが推奨されています。
各自治体では、地域の「防災行動マニュアル」を発行しています。
まずはそちらを確認し、自分がとるべき行動、いま出来る備えをシミュレーションしてみましょう。