2016/12/8
リノベーション設計者から見た引き戸と開き戸の長所・短所
こんにちは。ひかリノベ設計の多田です。
最近、引き戸を希望されるお客様が続いています。
私も自宅をリノベーションするならば、できるだけ開き戸より引き戸を選びたいと考えています。
しかし、間取りによっては建具すべてを引き戸にすることはできない場合があります。
そのあたりも踏まえて、本日は開き戸と引き戸のメリット・デメリットについて書いてみたいと思います。
1.引き戸のメリット・デメリット
最初にご紹介するのが引き戸の長所と短所です。
襖や障子の開閉方法として、日本人にとっては身近なスタイルですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
引き戸のメリット
- 引き戸は扉を開ける際に使用する面積が少ない分、狭い場所の有効利用ができる。
- 出入りする時に体を大きく動かすことなく扉を開閉できる。
- 中途半端に開けたままでも風によって閉まることがない。
- 部屋同士をつながりのある空間にできる。
- 取手が出っ張らないので、狭い場所での大きな物の移動に邪魔にならない。
引き戸のデメリット
- スライドさせる側に扉と同じ分の領域がなければ取付けられない。
- 間に柱が必要な場合は取り付けられない、あるいは取付けにくい。
- 建具が密集する場合など、壁を多く使う引き戸は使い勝手良い位置にスイッチを付けられないことがある。
- 戸当たりがない分隙間が多く、風や音がもれやすい。
2.開き戸のメリット・デメリット
次にご紹介するのが開き戸の長所と短所です。
開き戸のメリット
- 密閉性があるので独立した空間ができる。
- 壁の少ない場所にも取付けやすい。
- スイッチを使い勝手の良い位置につけやすい。
書斎や勉強部屋を作る際に独立性を持たせたい場合は、開き戸が良いですね。
開き戸のデメリット
- 狭い場所ではドアを開けると向こう側にいる人にあたってしまう。
- 少しだけ開けておくことがしにくい。
- レバーやドアノブが出っ張っているため、大きな物の移動に邪魔になりやすい。
- 出入りする時に体を大きく動かし扉を開閉する。
3.私が引き戸が好きな理由
トイレの開き戸は一般的に外開きにするので廊下側に開き、扉が廊下を歩く人にぶつかることもありますが、引き戸にするとぶつかる心配がないので安心です。
寝室の扉を開き戸にすると、大きなベッドを置くので、内開きの部屋の扉や外開きのウォークインクローゼット扉は、ベッドにぶつかってしまうことがあります。
また、開き戸と収納ドアがぶつかり合ってしまうこともありますが、引き戸にはその心配はありません。身体が動かしにくい方、車椅子の方には引き戸の方が開閉しやすいです。
狭い空間ほど引き戸の方が使いやすいと言えます。
そのようなわけで、我が家をリノベーションするなら、なるべく引き戸を選びたいのです。
ただし、廊下突き当たりの建具は、スライド領域がないため引き戸は取付けにくい場合が多いです。
いかがでしたでしょうか?
建具はどんな場合も「○○がいい」というものではなく、ライフスタイルやお部屋の条件によってベターな選択は違ってきます。
お好みのデザインや使い方、間取りに合わせて、使いやすくて見た目もスッキリの建具を選んでいきましょう。