生活に不可欠なキッチン、浴室、トイレなどは、毎日使うからこそ、それぞれの生活スタイルに合わせて便利で快適に使えるよう設計する必要があります。

今回はそんな水廻りの寸法についてお話しをしたいと思います。

キッチンまわりの適正な寸法

キッチンの高さ800〜850mm
奥行き650mm以上
キッチンの調理台の高さは、まな板の厚みも考慮して作業面より5cmほど低くすることをお薦めします。力を要する作業の時は少し低い位置の方が使いやすいので。

キッチンの理想な幅2400〜2850mm
もちろん、部屋の広さによって幅は変わってきます。しかし、部屋が広いからといってあまり長すぎると(3600mm以上)、横方向の動作の距離が長くなり逆に疲れてしまいます。

対面式キッチンカウンターの椅子の高さ（カウンターと調理台が同じ高さの場合）550mm
カウンターが調理台より低く、一般テーブルと同等の場合の椅子の高さ380〜400mm
対面式キッチンは調理をするだけではなく、家族とのコミュニケーションの場でもあるので、目線の高さ(アイレベル)に意識する必要があります。

キッチンとカップボードの距離800mm以上
キッチンの引き戸や引き出しの長さを考えると、1000mmがおススメ。また、2人で作業を分担しやすいように、通路の幅は1200mm以上あると便利。

トイレまわりの適正な寸法

トイレ空間の幅800mm
幅があまり狭いと窮屈だし圧迫感があります。また、万が一の場合に備えて、ドアは外開きか引き戸にしておくと、中で人が倒れた場合に救出しやすくなります。

トイレの座面高370〜380mm
座面高は一般的に、イス座面高×0.85～1.0を目安として、立ち上がりやすいよう選ぶと良いと思います。車いすを利用する方は一般的な車椅子の高さに合わせて、同じ便座の高さを選んだほうが移動が楽になります。

浴室まわりの適正な寸法

脱衣室(洗面室)1.5帖以上
洗面台の高さ720〜850mm
人間工学により、身長155cmの人は750の高さ、身長165cmの人は800の高さ、身長170cmの人は850の高さで使いやすいと言われています。

脱衣スペース900×900mm
洗面化粧台750mm
脱衣室や洗面室に、タオルや着替えなど置くスペースがないと不便です。この分の広さの確保は結構重要です。

浴室の洗い場の幅800mm以上
背中を洗う時の動作を考えると、1100mmが目安となります。また子供と一緒に入る場合は1200mm以上が理想的。
浴槽については、デザインや大きさのバリエーションが多いので、それぞれの生活や浴室の広さを考慮して選びましょう。

定規がなくても、楽な採寸方法

日常生活の中で、「これって何センチかな？」と知りたい時がありますね。

定規やメジャーがないと諦めてしまうことも多いですが、実は手の大きさを利用すれば、短い物だったら大体の長さが測れます。一度自分の手の指を広げた長さや、歩行中の1歩の歩幅などを測り、覚えておくと便利です。

また、人間工学によると、人体の各部位の寸法と身長はほぼ比例しているということなので、身長が分かれば、自分の肩幅、座高などが分かります。自分に合うテーブルやイスの高さ、ベッドサイズなどを割り出す際に、参考にすることができますね。

身長＝H
肩幅＝0.25H
肩峰高（肩の高さから床面までの寸法）＝0.8H
座高＝0.55H
机面高（テーブルの甲板上面から床面までの寸法）＝0.4H
下腿高（ひざから床面までの寸法）＝0.25H
（※自分に合うイスの高さは下腿高－10mmの寸法が適当）

おおよそのサイズ、寸法を頭に入れておくだけでも、生活動線の確保、最適な空間を作ることができます。ぜひ試しにやってみてはいかがでしょうか。