2019/4/27
キッチンの位置を変えたい! 移動できるか内見で調べる方法とは?
こんにちは。施工管理の山崎です。
中古マンションの内見の際、
「キッチンの位置を変更して対面式に出来れば……」
「トイレやお風呂の位置を変更して水回りをコンパクトに出来れば……」
「梁(はり)を無くして部屋をもっと開放的に出来れば……」
など、「~が出来ればこの物件を購入したいのに」とモヤモヤしながら内見を終えられている方は少なくないのではないでしょうか。
今回は建築の専門知識があまりないという方でも、内見時に「水回り移動ができるかどうか」を簡単にチェック出来る調査方法をご紹介致します!
※内見時、見えない部分の可能性を絞る調査方法となります。必ずしも全ての物件に当てはまるとは限らず、例外もあります。予めご了承くださいませ。
キッチンの移動
今回ご紹介するのは、とくにリクエストの多い「キッチンの移動」についての調べ方です。
キッチンは移動にあたり制限されるものが多く、不動産業に勤めている方でも、内見時に移動が可能であるかの判断が出来ないというケースも少なくありません。
物件をお探しする中で、キッチンの位置の優先度が高い方はぜひご覧の上、内見時の参考にしてくださいね!
見るべきポイントは大きく3つです。
- 床下に配管を通すスペースがあるか
- 排水管は床に繋がっているか、壁に繋がっているか
- 天井にレンジフードのダクトを通すスペースがあるか
床下に配管を通すスペースがあるか
一度、キッチンの床を足のかかとで軽く蹴ってみてください(※下の階の入居者様へのご配慮をお忘れなく!)
柔らかい音で反響音がある場合
床下にスペースがある可能性が高いです。
躯体のコンクリートの上に下地を組み、その上に仕上げ材を貼ってある、二重構造の床ということです。
この場合、床下のスペースを利用して配管を設置しているので、同じキッチンスペース内での移動(壁付け型から対面型へ等)は問題なく出来る可能性が高いです。
固く鈍い音で反響音がない場合
床下にスペースがなく、躯体のコンクリートの上にそのまま仕上げ材(フローリング、フロアタイル、クッションフロア等)を貼ってある可能性が高いです。
この場合、現在のキッチンの位置と移動希望位置までの床を上げて、床下に配管用のスペースを作ってあげる必要があります。
天井高が10~20cm程度低くなる可能性があるので、身長の高い方、開放感を優先させたい方は、こうした物件ではキッチン移動は避けた方が良いでしょう。
排水管は壁に繋がっているか、床に繋がっているか
次に、キッチンのシンクがある側の収納扉を開いてみてください。
排水管が底板に繋がっている場合
現在のキッチンの床下で、L字に方向転換をして、PS(パイプスペース)に向かって排水管が伸びている可能性が高いです。
この場合、下地を組み直すことで、ある程度自由に排水管を移動することが出来ます。
排水管が背面壁に繋がっている場合
様々な可能性が考えられますが、背面の壁を貫通し、PS(パイプスペース)に排水管が伸びている可能性が高いです。
キッチン内部の壁から出ている排水管の位置を変更することは、容易には出来ません。
排水管に水を流すには、滑り台式に勾配(こうばい)をとり、重力を利用することになるので、壁から出ている排水管より床を高くする必要があります。
壁から出ている排水管の高さによっては、天井高が大幅に低くなってしまうため、キッチンの移設はできない、ということもあります。
正確に排水管のルートを確認するには、点検口があれば点検口を外してみる(※点検口は開けたら必ず閉めましょう!)、もしくは実際に物件を購入した後にキッチンを解体し、調査する他ありません。
内覧で点検口を外してみて、壁から出ている排水管が床から高い位置にあるか、そもそもよく見えないという場合は、この物件ではキッチンの移動はできないものと考えた方が安心です。
天井にレンジフードのダクトを通すスペースがあるか
キッチンの天井を軽くノックしてみてください(※上の階の入居者様へのご配慮をお忘れなく!)
柔らかい音で反響音がある場合
天井裏にスペースが有る可能性が高いです。
コンクリートの上に下地を組み、その上に壁紙を貼って仕上げている、二重構造の天井ということです。
中には天井裏があっても、そこに既存のダクトは通っていないというケースもありますが、スペースがあることに変わりはありません。
新しいダクトはこのスペースを利用することで、天井高が低くなる部分を最小限に抑えることができます。
固く鈍い音で反響音がない場合
天井裏にスペースが無く、コンクリートの上にそのまま壁紙を貼ってある可能性が高いです。
この場合、現在のキッチンのレンジフードから、移動したい位置のレンジフードまで、換気用のダクトを新たに設置する必要があります。
そして天井の仕上げは、下地を組んでダクトを隠すか、むき出しにしてインダストリアル風に仕上げるか、の二択となります。
どちらの選択肢をとっても、ダクトの通っている箇所は天井高が低くなります。開放感や天井高の確保の優先度が高い場合は、キッチン移動は避けた方が良いでしょう。
まとめ
- 床を蹴ると、柔らかい音で反響音が返ってくるか?
- 扉を開けると、排水管が底板に繋がっているか?
- 天井を叩くと、柔らかい音で反響音が返ってくるか?
上記3つとも「Yes」の場合が、「キッチンの移動ができる」というおおよその目安となります
逆に言えば、いずれか一つでも「No」の場合は、移動自体は可能であっても、キッチンの入り口に段差が発生したり、現在のキッチンより狭くなってしまったりと、妥協をしなければいけない点が出てくる可能性があります。
物件選びは生モノ。鮮度が命です。
「優先度が高い条件が当てはまっているかどうかを、いかに素早く調べていくか」が鍵となります。
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