2018/7/3
【アリーナ立川立飛・リノベーションレポート②】倉庫がムードたっぷりのバーに変身
こんにちは。設計担当の目黒です。
主に住宅のリノベーション工事のイメージが強い(?)ひかリノベですが、住宅以外でもさまざまなリノベーションのご要望に対応しています。
すでにオフィスリノベーションはHPでもご紹介済みですね。
今回のお客様はなんと……フットサルトップリーグ・Fリーグのクラブチーム!
スポーツのクラブチームが何をリノベーションするのか!?
今回は住宅リノベーションとはちょっと違った提案や工夫などをご紹介します。
アリーナ内にバーラウンジ!
フットサルトップリーグ・Fリーグの府中アスレティックフットボールクラブ様。
東京都府中市で生まれたチームですが、今シーズン2018/2019より府中市と立川市をホームタウンとし、ホームアリーナを2017年秋にオープンしたばかりの体育館、アリーナ立川立飛へ移されることになりました。
チーム呼称も今シーズンより『立川・府中アスレティックFC』へ!
そこでひかリノベにご依頼された内容はというと……
アリーナ立川立飛で開催されるホームゲームにはバックスタンド側1階に『エグゼクティブシート』が設けられています。
エグゼクティブシートはピッチのすぐ目の前! 臨場感溢れるその場所は試合の醍醐味を目で、耳で、肌で感じていただける特別席!(ときには目の前にボールが飛んでくることも!?笑)
▼エグゼクティブシートからの観戦記はこちら!
そんなエグゼクティブシートの観客の方だけがご利用いただける『エグゼクティブラウンジ』を併設することになりました。
20歳以上の方であればお酒も楽しんでいただけるラウンジバーです。
まだ日本ではあまり馴染みがない(かもしれない)ですが、海外のスポーツ観戦では試合前など気軽に立ち飲み形式でお酒を楽しんだりすることがあるのだそうです。
フットサルだけでなく、その他のプロスポーツやイベントが開催されているアリーナ立川立飛では、イベント毎に座席数を変えられる可動式シートがあり、それを格納している倉庫があります。
フットサルの試合時はこの可動式シートを倉庫から出して利用するため、空いた倉庫スペースを『エグゼクティブラウンジ』とすることになり、そのリノベーション工事のご依頼でした。
ワインバーのようなムードに
まず最初にチーム担当者の方に思い描いているイメージなどをヒアリングさせていただき、導き出したコンセプトは……
「長い年月をかけて熟成されたワイン樽が似合うようなヴィンテージ感溢れるスタンディングバー」
一方で現地の第一印象はといえば……
体育館内の倉庫ということもあって、壁と天井は白く、照明は蛍光灯色で明るく、倉庫としてはもちろん機能的なのですが、お客様をお迎えする空間としてはやはり味気ない印象を受けました。
この倉庫をエグゼクティブな特別席のお客様だけが利用できる特別な空間へ。
試合が行われている明るい体育館の“動”とは対照的な、上品で落ち着いた“静”の空間へ。
そこで……
倉庫の味気なかった白い壁は長年使いこまれてきたかのようなレンガとモルタル、中央部分に出っ張っている柱型はあえてアクセントとして目立つように木目のクロスを張りました。
【before】
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【after】
お客さまに飲み物をサーブするバーカウンターはオリジナルで造作。
正面に張った板材にはエイジング塗装をかけてまるで古材のようにあしらい、さらにカウンター下に間接照明を入れてライトアップしています。
【before】
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【after】
落ち着き感を出したいときに重要なのは空間の重心を下げること。
倉庫時には上から照らされている均一的な蛍光灯色の照明を消し、天井は黒く塗装することで反射を減らし、下の方に明かり溜まりを作ることで重心が下がって見えます。
【before】
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【after】
そして、こだわりポイントは天井から吊り下げたほんのりとテーブル面を照らしてくれるペンダント。
アンティーク感たっぷりな真鍮古味仕上げで電球フィラメント形のランプを使っています。
なんとこのランプ、じつはLEDなんですよ。LED技術の進歩に電球を発明したエジソンもびっくりですね。笑
府中といえば、全国的にも有名ですが日本競馬のメッカです。
チームのイメージキャラクターは馬を採用し、チームカラーも馬をイメージしたブラウン。
チームエンブレムの市松模様は、騎手の勝負服をイメージされているそうです。
地元府中を愛し、馬とブラウンへの強いこだわりをぜひ立川の新しいホームアリーナでも取り入れたいと思い、床はすでにチームでご用意されていたブラウンとベージュの市松模様のタイルカーペットをそのまま採用することを提案。
ソファやテーブルなども、ひかリノベへご相談いただく前にご用意されていた家具です。
レンガやモルタル、木目のクロスや新しく造作したバーカウンターは、これらの家具やチームカラーに違和感なく溶け込むよう色合わせさせていただきました。
倉庫機能も生かしたままで
今回のご依頼で一番頭を悩ませたのは、試合開催時にだけ設営するラウンジなので、試合が行われる毎に設営、試合後には撤収して元通り可動式シートを格納する倉庫に戻さなければならないということでした。
ひかリノベはリノベーション会社ですから、日頃ご依頼いただく工事は床・壁・天井、造作家具、照明に至るまで、ほとんどの工事は“固定”する内容が多いのですが、今回は「イベント時だけ設営するいわゆる仮設工事のような状態にしなければならない」ということでした。
仮設でありながらも安っぽくならずに上品な高級感を醸し出したい。
……なかなか難しい課題です。
壁と天井だけは仮設で対応することがどうしても難しいため、アリーナ側に許可をいただいて工事しましたが、基本的に取り付けたほとんどのものを取り外し可能としました。
大きなバーカウンターもその都度移動させられるように、じつは3つに分割できます。
カウンター下には間接照明が付いていますが、こちらも電源コード式に変更することでカウンターの移動が可能となっています。
できることとできないことの狭間の中で多くの関係者の方々にご協力と柔軟なご配慮をいただき、最終的になんとか形にすることができました! 本当にありがとうございます。
”アスレ”のホームアリーナ・アリーナ立川立飛は近隣に某有名商業施設や某有名家具店などがある、東京都西部立川市に位置する民間の体育館です。
ぜひ一度足を運んでいただき臨場感溢れるフットサルトップリーグの試合を間近で体感してみてくださいね。
ひかリノベが手掛けたエグゼクティブラウンジの感想もお待ちしています!