リノベーションにデメリット!?こんなハズじゃを防ぐ方法 

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中古物件は新築よりも手頃な価格、立地の良い物件が多く、人気が高まっています。
同時に、中古物件を購入後にリノベーションで理想の間取りや内装に作り替える「中古を買ってリノベーション」という住まいの選択をする人も増加傾向です。

しかしメリットがあればデメリットもあるはず……そんな風に不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事では、中古を買ってリノベーションした後に「こんなはずじゃなかった……」という失敗や後悔を避けるための4つのポイントをご紹介します!
「リノベーションを検討しているけれど、どんなリスクやデメリットがあるのか知りたい」そんな方はぜひご一読ください!

2017年5月18日初出→2021年5月7日更新→2022年9月13日更新

工事費用は想定より高くなる場合がある

いつも見積もりどおりに工事が進めばいいのですが、実際は往々にして工事スタート後の変更・追加が生じがちです。
ここでは、予定より費用がかさんでしまう3つのケースをご紹介します。

スケルトンにしてみたら……柱が腐っている!?

実際に床や壁を剝がしてみたら「柱が腐食していた!」「配管がボロボロ!」など想定外の問題が判明し、当初予定していなかった工事が必要になるケースがあります。
マンション・戸建てに限らず、古い物件には表面にあらわれないダメージが隠れていることも少なくありません。
経験豊富なリノベーション会社は、プランニングの段階で「こんなダメージが隠れているかもしれない」というように、ある程度建物の状態を予測できます。
購入を検討している物件と近いケースの施工を多く経験しているリノベーション会社を選ぶことで、より正確な見積もりを出すことができます。

やっぱりここも変えたい!

完璧なプランニングをしたつもりでも、実際に工事をはじめてから「やっぱりコンセントを増やしたい」「食洗器も追加したい」といったオーナー様こだわりの希望が出てくる事例も珍しいことではありません。
たとえば、「ドアは元々あったものを再利用する」と予定していたのに、クロスや床材を施工してみたら微妙にテイストが合わない……といった誤算が生じる場合もあります。
あとから追加・変更が生じるのを防ぐには、やはりプランニング段階でイメージのギャップをなくすことが重要です。
言葉だけでなく、図解やパースでイメージを共有したり、床材やクロスはサンプルを重ねたりして完成後の部屋をリアルに想像しましょう。

「ガスの引き込みは別途工事」なんて聞いてない!

リノベーション工事にともない、別途工事が必要になる場合があります。
たとえば、戸建てのリノベーションでプロパンガスから都市ガスに変更する場合、敷地への引き込み管工事が必要なケースがあります。

その他、電気・インターネット回線の引き込みや下水道の整備など、「インフラまわりの費用を頭に入れていなかったために、当初の予算をオーバーしてしまった」という声はよく聞かれます。
プランニングの際は、こうした周辺的な工事が起こり得ることも忘れずにいたいもの。
とくに戸建て物件は、前所有者であるオーナーの生活スタイルによってインフラの導入に差があります。

リフォームローンは金利が高くつく

リノベーション費用を融資でまかなう場合、通常リフォームローンを利用します。

有担保型リフォームローン

    • リフォームやリノベーションをおこなう物件を担保とする
    • 高額の借入をおこない、長期間かけて返済する場合(最大35年間)を想定したローン

無担保型リフォームローン

    • 担保がいらない
    • 低額の借入を(30万~500万円程度)短い期間で返済する場合(1~15年間)を想定したローン

リフォームローンの金利は有担保型で年1~3%、無担保型で年3~5%程度。住宅ローンに比べるとやや割高な印象です。

住宅を買ってリノベーションする場合、住宅ローンでリノベーション費用もまとめて借入できます。
ただし、築古物件はとくに担保評価額が低く、融資額や返済期間が思うように認められない場合があります。

また築古物件は、住宅ローンを利用することで税制優遇が受けられる「住宅ローン減税」を受けるのに制限が存在します。
コンクリート造マンションは築25年・木造戸建ては築20年を超える場合、耐震基準適合証明を受けているか、既存住宅売買瑕疵保険に加入していない住宅では住宅ローン減税を利用することができないため注意が必要です。

出典:国土交通省住まい給付金事務局「住宅ローン減税制度利用の要件」(http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/requirement.html)

出典:国土交通省住まい給付金事務局「住宅ローン減税制度利用の要件」(http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/requirement.html

したがって、なるべくお得にローンを利用するためには、住宅を買ってリノベーションをおこない、住宅ローンでリノベーション費用もまとめて借入するのがおすすめです。
以下に当てはまる物件を選ぶことがポイントになります。

  • マンションは築25年以内・木造戸建ては築20年以内の物件
  • 耐震基準適合証明を受けた物件
  • 引き渡し前に既存住宅売買瑕疵保険に加入している物件

工事期間が長く、入居までに時間がかかる

一般的に、新築マンションであれば完成後すぐに住むことが可能です。
しかしリノベーション工事をおこなう場合は、規模によって完成まで1~3ヶ月ほどの工期がかかります。
物件を買ってリノベーションする場合、購入から引き渡し・着工までは1~2ヶ月かかります(住宅ローン審査・売主の転居等)。

これらの日数に物件探しの期間も含めると、リノベーションが完成して実際に住めるまでは最短でも4~6ヶ月みておく必要があるでしょう。

元の住まいが持ち家であり、新しい住まいへ買い換えをおこなう場合は、元の住まいの売却と新居の購入~リノベーションを平行しておこなわねばなりません。
その場合、売却にかかる期間は平均4~6ヶ月。さらにローンがまだ残っている場合には、新居のローンと二重に組むことはできませんから、新居の契約は売却後(売却代金でローンの残りを完済したあと)になります。
そうなると新居の完成までは少なくとも3ヶ月程度の期間が空くので、その間「つなぎ」の住まいを手配する必要が出てきます。

物件購入~リノベーションをスムーズにおこなうためには、物件探しの段階で「完成後」のイメージをもっておくことが大切。

たとえば、キッチン周りに構造壁がある物件を買ってしまってから「広々としたLDKが欲しい」といっても、プランニングで大変苦労することになります。
広さや間取り・家事動線・導入したい設備を事前に決めておき、実現可能かどうかを基準に物件探しをすれば失敗がありません。
内覧時にプランニング担当も同行し、実際に物件を見てもらうと安心ですね。

変えられない部分もある~マンションの場合

元の部屋をいったん解体(スケルトン)し、自由に間取りを変更したり内装や設備を一新したりして、「新しい部屋」をつくることができるのがリノベーションの目玉でもあります。しかし、既存の枠組みを利用するための設計には制約も生じます。

マンションの場合、建物の構造による制約と管理規約による制約、二つの面で制約が生じる場合があります。

建物の構造によっては間取り変更に制約が生じる

出典:(一社)マンションリフォーム推進協議会「中古購入+リフォーム チェックリスト」 (http://repco.gr.jp/knowhow/checklist/check4)

出典:(一社)マンションリフォーム推進協議会「中古購入+リフォーム チェックリスト」 (http://repco.gr.jp/knowhow/checklist/check4

マンションの構造には「壁式構造」と「ラーメン構造」があります。

築古物件に多い「壁式構造」では、建物を支える「構造壁」を壊すことができないので、間取りの変更に制約があります。したがって、中古マンションを買ってリノベーションする場合、希望どおりの間取りにできるかどうか、よく確かめて物件選びをする必要があります。

また、水回りの移動はPS(パイプスペース)の位置を考えなくてはいけません。
PSとは部屋中の給排水管をまとめて通しているスペースのことで、動かすことができないのです。

キッチンやバスルームといった水回りを移動したくても、PSからあまり遠くにすると配管の勾配がとれず、給排水がうまくできなくなってしまいます。水回りは移動できる範囲に限りがあることを覚えておきましょう。
とくにマンションのリノベーションでは、PS位置が希望の間取りの邪魔にならないかよく考える必要があります。

管理規約によって床材や電気の容量が制限される場合がある

たとえ構造的に工事可能でも、マンションの管理規約によって希望のプランが実現できない可能性もあります。

第一に、マンションは住民の共有財産です。
住民同士でマンションの価値を維持しながら、快適な生活を送るためのルールが必要となります。そのルールブックが「管理規約」です。
たとえば、「カーペットや畳をフローリングに変更したい!」と思っても、マンションによっては工事音を懸念して、床材の変更を禁止していることもあります。

他にも「オール電化にしたい!」と希望しても、電気・ガス・給湯器などの容量が決められている場合もあります。
マンションを買ってリノベーションする場合は購入前に管理規約の内容を確認し、希望のプランが実現可能かどうかしっかりと検討することが失敗を避けるポイントです。

共用部分は変えることができない

マンションには専有部分と共用部分があります。
リノベーションで変更できるのは専有部分(住戸内)に限られ、共用部分(共同廊下や階段・エントランスなど)は手を加えることができません。
窓(ガラス・サッシ)や玄関ドア・バルコニーは、部屋についているものだから好きに変えてもいいのでは?と思われがち。しかし実際は、共用部分であるため勝手に色を塗り替えたり、新しいものに交換したりすることはできません。

また、建物の構造体も共用部分にあたります。
築年数など建物の丈夫さなどとは関係なく、構造体を削って天井を高くしたり、前述の構造壁を壊したりといった工事はできません。
耐震補強工事も同様です。構造体にふれる工事は、マンション全体の構造耐力にかかわるため個人で自由に手を加えることはできません。

マンションを買ってリノベーションする場合は、内覧時にこれらの「変えられない部分」をよく確認する必要があります。建物外観や玄関・窓・バルコニーのデザインやサイズ感、使用感。構造についてはリノベーション会社によく相談し、希望どおりの住まいが叶えられる物件を選ぶことが大切です。

変えられない部分もある~戸建ての場合

戸建ての場合、建物の構造による制約と、法律による制約があります。

2×4工法とプレハブ工法は間取り変更が制限されることがある

戸建の構造はマンションに比べて自由度が高く、さまざまな工法があります。よく用いられるのが次の3つです。

木造軸組工法

木の柱や梁で支える、伝統的な日本の「木の家」

2×4工法(ツーバイフォー)

北米から導入された。壁・床・天井の「面」で支える

プレハブ工法

あらかじめ工場で生産した骨組み・床・壁・天井を組み立てる。面で支える。

このうち2×4工法とプレハブ工法では、建物を支える「耐力壁」を壊すことができないので、間取りの変更には制約があります。
戸建てを買ってリノベーションする場合もマンションと同様、希望どおりの間取りにできるかどうか、よく確かめて物件選びをする必要があります。

法律による増築の制限、建材の制限、デザインの制限

容積率と健ぺい率

戸建てはマンションと違い、建物ごと専有できるため増築することも可能になります。
ただし、増築はまったく自由にできるわけではなく、都市計画上の区分によって容積率・建ぺい率の上限が定められています(都市計画法・建築基準法)。
陽当たりや眺望・火災時の安全といった理由から、所有地いっぱいに建物を建ててはいけないことになっているのです。

また、防火地域・準防火地域では一定以上の耐火性能が認められる建材の使用が義務づけられています。防火地域では、木造住宅は建てられません。
準防火地域では、外壁など延焼の危険がある部分を耐火構造にしなくてはなりません。
さらに地域によっては、景観法により建物の高さや外壁の色に制限がある場合もあります。戸建てをリノベーションする際は、必ずこれら地域の規制を確認しましょう。

メリットもデメリットも理解することが大切

ここまで「中古を買ってリノベーション」で起こり得る失敗例や、気になるデメリットについてご紹介してきました。
物件購入前に確認しておくべきことや、やりたいリノベーションができない物件も存在することがお分かりいただけたかと思います。

とはいえ、やはりリノベーションを選択することのメリットは大きく、以下の3点においては新築を上回る良さがあります。

  • 新築よりも低コストで購入できる
  • 立地の良い物件を選べる
  • 理想のお部屋を追求できる

この記事でご紹介したリノベーションのデメリットは、信頼できるリノベーション会社と二人三脚で物件探しから購入、設計などを行えば未然に防げるものばかりです。
中古物件ならではの価格の手頃さや、立地の良さは誰かの手によって変えることはできない部分です。立地は毎日の通勤・通学の負担軽減に繋がったり、子育てしやすい条件(スーパーや病院が近くにあるなど)に当てはまったりと、その後の暮らしの質にも関係してきます。

また、低コストに抑えながらも自身のこだわりを詰め込んだ住まいの実現が叶うのは、やはり自由な発想を住まいに反映しやすい「中古を買ってリノベーション」の特権といえるでしょう。

新築でも中古でも、一戸建てでもマンションでも……どんな住まいを選ぶときもメリットとデメリット両方が付きもの。全くデメリットの存在しない家づくりはないでしょう。
大切なのはリスクを最小限に抑え、リノンベーションのデメリットとご自身の希望をよく比較し、できるだけ多く理想を詰め込んだ家づくりができるかどうか。
具体的には、物件選びからリノベーションの設計と施工まで一貫してサービスを提供している不動産やリノベーションの会社に依頼することで、さらに理想に近い住まい作りが可能になります。

住宅リノベーションのひかリノベでは、物件探しからリノベーション、資金計画までワンストップでお住まいづくりをサポートいたします。住宅購入やリノベーションをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

三好 海斗(宅地建物取引士、賃貸経営管理士、既存住宅アドバイザー)

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