木を感じる開放的な住まい
エリア | 横浜エリア |
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家族構成 | ファミリー |
面積 | 83.60㎡ |
間取り | 3LDK → 2LDK |
テイスト | ナチュラル |
特徴 | 断熱(省エネ), |
リノベ費用概算 | 12,100,000円 |
構造を生かして木のぬくもりを味わう
奥様、0歳のお子様と3人で暮らすU様が選んだのは、中古の一戸建て。
将来的に私鉄2路線の接続が見込まれ、通勤にも便利な立地に、ちょうどいい物件が見つかったのです。
「木をたくさん使った内装にしたかったんです」
U様のそんな要望にお応えし、OSB合板(広葉樹の木片を圧縮、接着した木質系ボード)を、壁の仕上げ材として使いました。
水回りの建具も、既成品をつかうのではなく、OSB合板で造作。これによりリビング部分の壁一面がOSBとなり、空間のアクセントになっています。
床には、ホワイトで塗装した合板床材を採用し、天井には木目調のクロスを張って、壁や床と調和するように仕上げました。
玄関まわりにも木をあしらって、家全体でウッディな雰囲気を演出しました。
一戸建てには、マンションのリノベーションとは違う難しさもあります。
U様のお住まいは、まず天井の低さが問題でした。天井裏を作って、梁の凹凸を隠すことができなかったのです。
ですが、そこを逆手にとって、梁の表面に薄い木の板を貼って梁をあらわしにしたのです。
また、中古の一戸建てにはありがちなことなのですが、図面と実際に建てられた家の構造が異なっていることがあります。図面との違いは、解体してからではないとわからないことが多いのです。
しかし、事前に作ったプランが実現できないからと言って、筋交いの入った壁や、構造上必要な柱を取ってしまうと、耐震性が不足してしまう可能性もあります。
U様のお住まいも、1階の間取りを変えるにあたり、どうしても撤去できない柱が何本か残ってしまいました。
残すことになった柱には、梁と同じように薄い木の板を巻いて仕上げました。
むしろ、より“木の家”らしくなったと思いませんか?
家族を感じる、開放的なプラン
「それから、壁や戸のない、なるべくオープンな空間にしたいとも考えました」。
LDKと4畳半の和室という構成だった1階は、壁を取り払い、LDKと水まわり(浴室、トイレ、洗面所)だけの開放感ある間取りに変更。
戸建住宅の場合、壁を抜くことで耐震性が損なわれるのでは、という懸念が生じますが、もともと壁の中にあった柱を残したこと、ステンレスブレースで補強したことで、耐震性はしっかりと維持しています。
玄関は土間を拡張し、リビングに直接つながる間取りに。
既存の玄関は、靴を着脱するのに不便がない程度の土間、階段や廊下につながる小さなホールと、よくある間取りではありますが、決して開放的な印象ではありませんでした。
廊下をなくし、玄関とリビングを一体にしたことで、広々とした空間に生まれ変わりました。
また実際に土間のスペースを大きく広げているため、自転車などかさばるものも、余裕をもって収納できます。
壁面の可動棚は、靴を収納するだけでなく、インテリア小物をディスプレイして、リビングから見て楽しむこともできます。
2階は、一室をU様の念願だったワークスペース(書斎)にリノベーション。
長さ約3.6mの大きなカウンターをタモ材で作り、窓向きに設置。窓の両端には、可動式の本棚を作りました。
壁一面には有孔板を使って、フックなどを付けられるようになっています。
ワークスペースの建具は取り払ってしまい、階段を上がってくると中にいるU様の姿が見えるように。間取りを変えずに、開放的な空間を実現しました。
2階にあった既存の洗面台は、古くてデザインもいまひとつでしたが、サイズがかなり小さく、市販品は設置できませんでした。
そこで、造作でピッタリのカウンターを制作し、その上に洗面器を取りつけました。