2017/11/30
【江戸川区・江東区エリアA様邸リノベーションレポート②】解体後にわかる!床下に潜んでいること
こんにちは! ひかリノベ施工管理・藤井です。
本日からA様邸の施工現場の模様をお伝えしていきます。お客様目線でリノベーションの楽しさを伝えられればと思っています。よろしくお願いします!
1.解体してはじめてわかる「家の中身」
『解体することによって見えてくるもの』があります。
キッチン・トイレなどの水周りの移動をさせたいと希望されるお客様はとても多いです。
通常の居室であれば壁を壊したり、内装を変えたりすればお部屋の用途は比較的カンタンに変えられるので、キッチンやトイレ・洗面なども同じようにできるのでは? と思いますよね。私自身、この仕事に携わる前には、ヒョイッと簡単に移動することが出来ると思っていました。
でも、違うんです!
水回りを移動するためには、色々な電気配線・給排水などなど経路を考えなくてはいけません。場合によっては希望のところに移動できない場合も出てきます。
『解体することによって見えてくるもの』…今回は水周りの排水配管のお話しです!
2.排水管の通り道は床下に
まずはこちらの写真をご覧ください。
▲住居内の床下の写真です。
通常、給排水の配管は床下を通っています。
赤い管は給湯管。
青い管は給水管。
灰色の管は排水管です。
マンションでは『竪管』と呼ばれる配管が、最上階から一番下まで各住戸を縦に通っています。竪管はパイプスペース内に収められています(間取り図の「PS」というところです)
全ての部屋の排水管はこの竪管につながっており、各住戸の排水が流れています。
竪管は建物を縦に貫いているので、移動することが出来ません。
そのため、各住戸の排水はこの竪管に向かってスムーズに流れるよう、配管しなければいけないのです。
排水配管経路を既存より伸ばす場合には、排水が溜まったり、逆流したりしてしまわないように勾配をつけなければなりません。充分な勾配をつけると、床の高さが元の床の高さより高くなってしまうこともあります。
具体的には、竪管へ向かって1mにつき1cmの勾配を作ります。
既存の配管より10m伸ばすとすると、床は現状より10cmは上げることになってしまいます。
また、最初に「給排水の配管は床下を通っている」とお話しましたが、マンションの床のつくりは『二重床』と『直床』の二つの種類があります。
『二重床』ならお部屋の床と、建物の構造体(スラブ)の間にスペースがあるので、水周りの配管を移動しやすくなります。
しかし、『直床』ではスラブに直接床を張っています。この場合、床下のスラブ内に溝をつくって排水配管を収めています。あるいは、階下の天井裏に排水配管経路がある場合も。マンションのリノベーションではスラブに手を加えることはできないので、このようなケースでは移動が困難です。
マンション内覧に行ったときには、竪管のパイプスペースがどこにあって、キッチンを移動させたいけど、床が既存より上がってしまうかな? など考えながらお部屋や図面をご覧になってみると、リノベーション向きの物件を探すヒントになりますね。
今回は解体後の排水配管について書かせていただきました!
このブログを読んでいただき、また新しい視点から、物件探しや将来の家のイメージを膨らませていただけたなら嬉しいです。