2017/6/20
誰にでもわかる!ホームインスペクション
皆様こんにちは、ひかリノベ施工管理・毛利です。
今回はホームインスペクション(既存住宅状況調査技術者)についてお話したいと思います。
ホームインスペクションとは?具体的に何をするの?といったことを掘り下げて行きたいと思います。
ホームインスペクション(既存住宅状況調査)は、
- 既存住宅の構造耐力上主要な部分
- 雨水の侵入を防止する部分
以上の調査を原則として、目視等による非破壊調査(壊さず調べる)を行い、あわせて耐震性に関する書類の確認を行います。
調査の対象となる部位は構造によって異なりますが、今回は住宅としてポピュラーな木造・鉄骨造の建物の調査手順についてご説明したいと思います。
A.外部
まずは外部の調査から。
基礎(構造部)を目視や計測によって、ひび割れ・劣化等の有無をチェックします。
ひび割れによって雨水が鉄筋まで届いていると水が浸入してさびを促進させる原因になるので、念入りにチェックします。
外壁、軒裏(構造の劣化を調査)
外壁素材がサイディング(セメント質・繊維質で出来た外壁素材。現在の主流素材です)の場合、下地材まで到達するひび割れ・剥落はないか?を目視によって確かめます。
タイル仕上げ、塗装仕上げの場合も同様に目視でチェックします。
チェックの際には打診棒等を使用致します。
外壁、軒裏(雨水の侵入を調査)
外壁のシーリング材(継ぎ目を埋め、防水するための充填剤)の破断、欠損はないか?
建具の周囲のスキマや、開閉不良等はないか?
軒裏天井の雨漏り、外壁表面の塗膜の経年劣化によるチョーキング(粉吹き)等はないか?をチェックします。
なお、このとき天窓もいっしょに調査しますが、雨戸・網戸は調査対象としません。
屋根(雨水の侵入を調査)
屋根葺材の著しい破損、ずれ、ひび割れ、劣化等がないかを目視によりチェックします。
(バルコニー、窓から見て調査します)
バルコニー(構造の劣化を調査)
バルコニーのぐらつき、ひび割れ、劣化等がないかを目視によりチェックします
バルコニー(雨水)
防水層の著しいひび割れ、劣化等がないかを目視によりチェックします。
外部 各所共通 蟻害、腐食等
基礎・土台及び床組・床・柱及び梁・外壁・軒裏・バルコニー・内壁・天井・小屋組(屋根を支える骨組み)にシロアリ被害や腐食がないか、目視によりチェックします。
ただし、調査のために建物を破壊するわけにはいかないので、調査箇所は目視可能な範囲となります。
B.内部
つづいて、建物内部を調査します。
屋内表面から下地・構造まで、ひび割れや欠損・劣化がないか、雨水の侵入がないか、目視や計測によって調査していきます。
天井・小屋組・梁(構造)
合板、ボード、構造材、その他下地材まで達するひび割れ、欠損等の有無を目視によりチェックします。
点検口等から覗き込んでライトを当てて目視します。
天井・小屋組(雨水)
屋内全体の天井、小屋組などで雨漏りの跡の有無を目視によりチェックします。
天窓などは雨漏りしやすいので、とくに念入りにチェックします。
内壁・柱(構造)
屋内全体の柱、内壁などに下地まで達するひび割れの有無を目視によりチェックします。
レーザーレベル、下げ振り、水平器等の計測機を使って調査します。
柱、内壁の傾斜が6/1,000以上の場合は不当沈下(建物の基礎や地盤がそこだけ沈んでいる)や構造部材の傾きが生じている可能性があるので、劣化があると考えます。
内壁(雨水)
屋内全体の内壁に雨漏りのあとがないかを目視で確認します。、
床(構造)
屋内全体の床構造の著しいひび割れ、劣化の有無を目視できる範囲で確認します。
さらに、床の傾きをレーザーレベル、水平器等の計測機器を使って調査します
傾斜が6/1,000以上の場合は不当沈下や構造部材の傾きが生じている可能性があるので、劣化があると考えます。
土台・床組(構造)
床下点検口等からライトを当てて、目視可能な範囲で著しいひび割れ、劣化がないかを調べます。
基礎(構造)
床下点検口等からライトを当てて、目視可能な範囲でコンクリートのひび割れ、欠損、さび汁を伴うひび割れ、鉄筋の露出などがないかチェックします。
幅0.5mm以上のひび割れ、深さ20mm以上の欠損があると、雨水が染み込みやすくなり、鉄筋が錆びつく原因となります。
以上に加えてオプションで設備配管の漏水等もチェックするケースもございます。
いかがでしたでしょうか?
専門的な言葉が出てきて解りにくい部分もあったかもしれません。
調査内容や方法について、よりくわしく知りたい方は、ひかリノベまでお気軽にご相談下さい!