2017/2/14
【墨田区,江東区エリアS様邸リノベーションレポート①】Reuse(リユース)という選択
こんにちは。
設計担当の目黒です。
「住み替えを考え始めたきっかけは何ですか?」
私はリノベーション後の間取りや内装デザインなどのプランニングを担当しているのですが、
「どんな間取りにしたいか」
「どんなインテリア(テイストや雰囲気)が好みか」…という具体的な話をさせていただく前に、
「なぜ住み替えるのか?」という上記の質問を最初にお客様にお聞きするようにしています。
家族構成の変化だったり、
転勤などによる通勤の利便性だったり、
現在の住まいに対する不満だったり、
あるいは資産の所有だったり、
住み替えしようと思ったきっかけはお客様それぞれ。
でも、なぜ住み替えようとしているのか? という理由をいま一度思い返していただくことによって、リノベーションの方向性が明確に見えてきたりもします。
あなたが「住み替えする一番の目的(最優先事項)は何ですか?」
1.通勤の利便性と周辺環境を重視する~S様の物件選びとプラン
S様ご夫婦は1年ちょっと前に新築マンションを購入されていました。
しかし、物件そのものの住み心地は快適で満足されていたものの、日々の通勤の大変さと不便な周辺環境から、購入して間もない頃から住み替えすることを検討されていました。
ようやく自宅マンションの売却が決まり、ご自身も新しい住まいを探し始めて、弊社を訪れていただいたのです。
S様が新居に求める最優先事項は、通勤の利便性や周辺環境という、いわゆる立地。
そして、ご自宅の売却予定日がすでに決定しているため、次に優先されたのはリノベーション後の入居可能日。
当初はある程度築年数が経過している中古マンションを購入して、設備配管等を全て更新するリノベーションも視野に入れての物件探しでしたが、全てを解体して一から造り替えるスケルトンリノベーションは、どうしてもそれだけの工期を要します。
ご自宅の売却(退去)時期までに完成することはこの時点ですでに難しく、一度は仮住まいも検討することになりましたが…
最終的に決められたのは、希望条件に合った立地のマンションで、築年数が比較的浅い物件。
一般的に、築年数が浅ければ、それだけ販売価格も高額になります。
ただし、今回は前所有者の方が丁寧な暮らし方をされていたこともあって、内装建材も水廻り設備も比較的きれいな状態でした。
そこで、入居希望日に間に合うような工期内で、かつお客様のご予算にも見合うという点からプランニングそのものを練り直しました。
まずは、そのままでも使用できるものは再利用(リユース)するという提案。
もとの部屋を解体しなければ、それだけ工期は縮まります。
廃材も出ないので運搬や処分にかかる費用をその分だけ抑えることができ、また無駄にゴミを増やさないので地球環境にも優しくなれます。
その代わりに、こだわりたい箇所はトコトンこだわって、そちらに費用と工期をかけるという提案です。
新居の入居希望日に間に合わせるためには非常に短期間での打合せとなりましたが、
残せるもの。
残したいもの。
造り替えたいもの。
追加したいもの。
ひとつひとつを確認していき、工事内容を決めさせていただきました。
2.こだわりの洗面化粧台
リユースできる設備や建材などは極力解体せずに残し、こだわりたい箇所はご自身の好みに合うように造り替えることに決められたS様ご夫婦。
床は色と質感にこだわった無垢フローリングに変更。
水廻りのキッチンと洗面化粧台は撤去して新設。
中でも、洗面化粧台はメーカー既製品の一体型になったシステムタイプではなく、カウンターにボウルを乗せたベッセル型がご希望だったので、オリジナルで造作することになりました。
▼洗面室の平面図。左側の洗面化粧台が造作部分です。
▼造作中の1コマ…
無垢材へのこだわりはあっても、水廻りのカウンターに無垢材を使用するのは今後のメンテナンス面において不安を感じたりもしますよね…
そこで、木をダメージ加工したような雰囲気を醸し出したポストフォームカウンターをお選びになりました。
ポストフォームカウンターとは、濡れたらサッと拭き取れて、丈夫なメラミン素材のカウンター。
見た目は本物の木のようですが、木製カウンターよりお手入れも簡単で、長くキレイにお使いいただけます。
これまで洗面台横の壁には半埋め込み型のメディシンボックス(分譲マンションでよく見受けられる、洗面用具や歯磨き、ひげそりなどを収納する小物入れです)が設置されていたのですが、やや黄ばんでしまった樹脂製のメディシンボックスは取り外してしまい、埋め込み開口だけをリユースして活かし、洗面カウンターと同じ色柄の棚を取り付けてニッチ(壁に凹みをつくり、飾り棚や収納として利用したもの)を造作することに。
前面に貼られた大きな一面鏡もそのままリユースしています。
既存のものをうまく再利用すれば、費用を抑えることもでき、
新・旧を融合させてさらに新しい価値を付け加えるというのも、リノベーションのひとつ。
ひかリノベで一緒に考えてみませんか?