2016/12/6
【墨田区,江東区エリアI様邸リノベーションレポート②】ワンルームで暮らす~可動間仕切りでプライベート空間づくり~
こんにちは。
設計担当の目黒です。
マンションを購入する際には、誰もが予算内で少しでも広いお部屋を求められますよね。
でも、都心の住宅事情ではなかなか希望通りにはいかないこともあります。
お客様を招く空間(リビングなど)は人に見せられる場所にしたいけれど、寝室や収納といったプライベート空間は隠しておきたい。
とはいえ、一部屋ごと分けてしまうと各々が狭い空間に感じてしまうジレンマ…。
今回は施工事例をもとに、可変的な空間づくりの提案です。
1.可動間仕切りは動かせる‘壁’
I様が購入されたのは和室と洋室に分かれた2DKのマンション。
3箇所に分かれていた収納をウォークインクローゼットとして1箇所にまとめ、ダブルベッドが置ける寝室スペースを設けました。
▲施工前。
▲施工後。
隣接して大勢のお客様をお招きしてホームパーティーなども開催できるリビング・ダイニングを設けましたが、そのままではベッドが丸見えの状態です。
日頃はワンルームとして広く開放的に使いたいけれども、寝室を見せたくない時や、同居の家族と生活の時間帯が異なる場合のために、可動するL字コーナー引戸を採用しました。
可動間仕切りには必要なときのみ間仕切って隠すというメリットがありますが、空間を隔てることでエアコンなどの空調効率も上がり、結果として省エネにも繋がるという新たなメリットがあるんですよ。
2.ひとつの顔でふたつの役割
実は、この可動間仕切りはもう一つ別の使い方を兼ねています。
ウォークインクローゼットを計画する際に、建具(ドアや引戸、折戸など)を取り付けるかどうかで出入口の幅(開口)の寸法は変わります。
クローゼット内部に埃などが入ったり、収納内部まで空調するのは非効率なので、建具で仕切ることを希望されるお客様は多いのですが、建具を取り付ける場合は、取り付けない場合に比べて開口幅を広く必要とするため、クローゼット内部に使うことのできない無駄な空間が生じてしまいます。
そこで、I様邸では可動間仕切りをウォークインクローゼット入口の建具として兼用することにしました。
こうすることで入口は出入りするのに不自由のない最小限の開口幅まで狭め、クローゼット内部は棚を設置したり、洋服などをゆったりと掛けられるスペースとして有効利用し、かつ入口も建具で塞ぐことが可能となっています。
ひとつのものにふたつ以上の機能をもたせることは、空間を有効に活用できるだけでなく、予算もおさえることが可能となります。
リノベーション工事は新築と異なり、既存の制約が多い条件でのプランニングとなるため、どうしても‘できない’こと、希望が叶わないことが出てしまう場合があります。
その代わり、あらたな付加価値を見つけるお手伝いをさせていただいております。
どうぞお気軽にご相談なさってくださいね。