2015/9/18

帖と畳の違いは?1帖って何㎡?部屋の広さにまつわるあれこれ

帖と畳の違いは?1帖って何㎡?部屋の広さにまつわるあれこれ

ひかリノベ広報部です。

 

異常な暑さが続いた夏が終わりに近づいたかと思えば、今度は雨続きの不安定な天候・・・体調管理が大変ですね。

でも、コンビニのレジ脇におでんと中華まんが登場して、少しずつ秋が近づいてきたなぁと実感しています。

 

さて、今回のブログでは、設計に関連した話題に触れていきます。

いささか唐突ですが、皆さんのお住まいのリビングは何帖ありますか?自分のお部屋は何帖ありますか?

そもそも、この帖数ってどうやって計算しているんでしょう?

さらに「帖」と表記されていることもあれば「畳」と表記されていることもあります。
どっちが正しいとか使い分けをする意味とかあるのでしょうか?

「帖」と「畳」の違い

実は、決まった定義はありません。

ただ、一般的に元々は「畳」を使っていましたが、現在の住宅の床材はフローリングが主体となっているため、畳を敷いている和室と区別するために、和室には「畳」、洋室やリビングなどは「帖」を使うようになったと言われています。

また、「畳」という文字が「タタミ」を連想してしまい、床がフローリングなのか畳なのか分かりにくくなるという点からも使い分けをしているようです。

ちなみに私は、和室も洋室も問わずに「帖」を使っています。

和室は畳のラインを描き込むので、見た目で和室と分かりますし、何より「畳」という文字は文字サイズや印刷などの影響で文字が潰れてしまうことがありますが、「帖」は画数が少ないので文字が読みやすいことを重視しています。
(※以降の文中では、すべて「帖」を使います)

文字

・・・・・あれ?思ったよりも差がないですかね。。。

1帖は何㎡?

実は、一番回答に困る質問です。

畳にはサイズの規格があって、それぞれ下記のような寸法になっています。

・京 間:955mm × 1,910mm(3尺1寸5分 × 6尺3寸)

・中京間:910mm × 1,820mm(3尺 × 6尺)

・江戸間:880mm × 1,760mm(2尺9寸 × 5尺8寸)

・公団間:850mm × 1,700mm(2尺8寸 × 5尺6寸)

※Wikipedia 畳 より https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%B3

古来の日本建築は、建物の平面計画を畳の割付で決める『畳割り』の手法が用いられ、畳を敷き並べてから柱の位置を決めるため、畳のサイズはすべて同じになります。
江戸時代になると、現在の『通り芯』と同じような概念で、柱を先に配置して平面を決める『柱割り』の手法が主流となり、畳を部屋のサイズに合わせた江戸間が用いられるようになりました。

上記の寸法の脇にカッコ書きで「尺」や「寸」を用いた『尺貫法』によるサイズも記載しました。

現在ではメートル法による寸法表記が一般的ですが、様々な場面でいまだに尺貫法を慣用的に用いていることがあり、特に建築の分野では「尺」や「寸」が登場する機会がかなりあります。

ところで、これだけ畳の種類があって、これだけサイズも違っていると「1帖って何㎡?」と聞かれた場合、どう答えたらいいでしょう?

一般的に知られていて普及している畳のサイズは、中京間の「910mm × 1,820mm」で、これに基づいて算出した「1.65㎡」もしくは数字を丸めた「900mm × 1,800mm」で算出した「1.62㎡」というのが通常の回答です。

ちなみに上記の中で一番大きい京間と団地間で、それぞれ6畳に並べた場合の面積(㎡数)を比較してみると・・・

なんと!2.27㎡、つまり1帖以上も差が出てしまうことになります。

じゃあ、帖数はどうやって計算するの?

先程述べた「1帖=1.65㎡」または「1帖=1.62㎡」で計算することが多いです。

ただ、基準とする畳の大きさの違いによって帖数に差ができてしまいます。

お住まいの地域(地方)によって標準的に使われる畳のサイズは異なりますし、そもそも畳は、ピタッと納まるように部屋ごとに寸法を変えているので、畳を基準に考えるとバラつきが生じます。

これとは別に、これも不動産・建築業界でよく使われる「坪」によって算出する方法があります。

1坪は、1辺の長さが6尺(1間)の正方形の面積で、畳2枚分の大きさになります。
また、1尺は1mの10/33と規定されています。

尺坪

1尺 = 10/33 m なので、6尺 = 60/33 m となり

1坪 = 6尺 × 6尺 = 60/33 × 60/33 = 3600/1089 = 3.30578512396・・・・・ ㎡

皆さんも「1坪=3.3㎡」というのを耳にしたことがあるかも知れませんが、上の式からも正しいことが分かると思います。

では逆に、1㎡は何坪に相当するかというと

1㎡ = 1089/3600 = 0.3025 坪

と、きれいに割り切れる数字となります。

先述の通り、1坪は畳2枚分に相当することから

『 帖数 = ㎡数 × 0.3025 ×2 』

で算出することができます。

この計算式も不動産・建築業界ではかなり一般的であり、弊社で作成する図面の帖数もこの計算によって算出しています。

帖数はあくまでも目安です

部屋の形で印象は変わる

「あなたの部屋は12㎡になります」と言われて、広さをイメージすることができますか?

12㎡の部屋の帖数は、先程の計算で算出すると 12 × 0.3025 × 2 = 7.26 帖 です。
「12㎡」と聞いてもいまひとつピンときませんが、「7.26帖」と聞くとそこそこ広い部屋だなという印象を受けると思います。

つまり、帖数とは「だいたい畳何枚分」といった感じで、部屋の広さをイメージしやすくする目安の数値です。

ただ、部屋の広さのイメージは、単純に数値だけでは判断できません。
同じ12㎡でも縦横の比率が変わると、広さの印象はまったく違うものになります。

上図はすべて同じ12㎡ですが、細長くなればなるほど狭い印象を受けると思います。

「内法面積」と「壁芯面積」の違い

さらに、部屋の面積には「内法面積」と「壁芯面積」があり、一般的に面積というと壁芯面積が使われます。

内法(うちのり)面積は、「登記面積」「公簿面積」と呼ばれ、不動産登記などに使われる面積です。
壁の表面より内側部分の実際に床として見えている部分(※下図の青い部分)の面積になります。

 

一方、壁芯面積は、建築基準法に則って確認申請などを行なう際に使われる面積です。
上記の内法面積では、工事の過程や壁の仕上がり状況によって面積にバラつきが出てしまうため、基準となる壁の中心線(壁芯)から内側の面積(※下図の赤い部分)を使います。
これが壁芯面積と呼ばれ、不動産広告などでも一般的に面積と言えば壁芯面積のことを指します。

図でも分かるように壁の半分のみならず、柱部分も面積に含まれているので、面積や帖数は、実際の感覚的な広さと差異が生じます。

 

和室がある場合、洋室やリビングなどは㎡数から算出した帖数を表記していても、和室に限っては単純に畳の枚数で「和室〇畳」という表記にすることもあります。

図面では畳が6枚敷いてある、いわゆる「6畳」なのにもかかわらず、㎡数から算出した「5.4帖」などと表記されていたら混乱してしまいますよね。

『百聞は一見にしかず』です

リノベーション工事を初め建築の工事は、完成するまで実際の「モノ」がないため、パースや模型を使ってイメージを伝えることになりますが、広さだけは言葉では表現できず、体感していただくことも難しい部分だと思います。

仮にまったく同じ間取りで同じ形、同じ大きさの部屋があったとしても、床材や壁の色、建具の色、照明の配置や照明の色など色々な要素によって、感覚による広さはまったく異なることもあります。

柱や凸凹が多い6帖よりも、きれいな長方形の5帖の方が家具が配置しやすく、広く感じることもあります。

皆さんも何か物件を探す際は、販売図面や賃貸広告の図面に記載された数値だけで判断せずに、実際に現地に足を運んで体感することをお勧めします。

逆に思わぬ掘り出しモノの物件に巡り合えるかもしれませんよ。

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