2021/12/28
換気と暖房のはなし。24時間換気システムは万全なコロナ対策になる?
こんにちは。ひかリノベ両国ショールームの大宮です。
去年・今年はコロナ禍で何かと、”換気”が話題となりました。
現在コロナは小康状態とはいえ、この先も第6派があるかも‥など巷では言われているので、しばらく換気対策は必要かと思います。
とはいえ、冬はなるべく窓を開けたくないですよね。
「うちは、機械式の24時間換気システムがしっかり作動しているから、窓を開けなくても大丈夫!!」
と言う方もいらっしゃるいますが、それは間違いです。
今回はその理由と、これから季節に欠かせない”暖房”にまつわるはなしをします。
コロナ禍での必要な換気と、24時間換気は違う
24時間換気で使われる給気口(給気)・換気扇(排気)出典:パナソニック
大手の住宅メーカー等のPRで、
~コロナ禍で注目される”換気”‥、24時間機械システムで換気を~
と銘打って、「この換気システムでコロナ対策は万全」というニュアンスのPRがあります。
しかしコロナ対策として必要な換気量と、24時間換気システムでの換気量は全く異なります。
コロナ禍で必要な換気とは
新型ウイルス感染症対策専門家会議が掲げる指針では
・部屋の空気すべてが入れ替わる換気を、1時間に2回
(30分に1回以上数分程度換気、2方向の壁の窓を全開)
とあります。
また、別の指針では
・1人当たり毎時30㎥の換気を行う必要がある
と定めています。
24時間換気で必要な換気とは
一方24時間換気とは、2003年に建築基準法で義務付けられた、新築時の住宅の建材や家具から発生するシックハウスに対しての換気です。
換気量は
・2時間で部屋の空気を全換えする。
という内容です。
換気量を比較してみると
コロナ対策で必要な換気量と、24時間換気システムの換気量を数字で比較してみると
・コロナで必要な換気は、1時間当たり2回、空気を全換え
・24時間換気は、1時間当たり0.5回、空気を全換え
と、コロナでの必要換気量は24時間換気の4倍となります。
また、1人当たり毎時30㎥の基準でも計算してみましょう。
仮に、6帖(9.94㎡・天井高2.4m・体積23.86㎥)の部屋に2人が1時間いるという状況を想定すると、
1人当たり毎時30㎥、2人だと毎時60㎥
60÷23.86≒2.5
つまり
・コロナで必要な換気は、1時間当たり約2.5回程度、部屋の空気を全換えが必要
・24時間換気は、1時間当たり0.5回全換え
と、コロナでの必要換気量は、24時間換気の約5倍となります。
このようにコロナで必要な換気と、24時間換気は換気量が全く異なります。
まだコロナは世界で収束しておらず、必要とされる換気量の計算式もこの先変わってくるかもしれませんが、とはいえ24時間換気ではコロナで必要な換気量に全く足りません。
そもそもこの2つの換気は目的が異なるモノなので、24時間換気システムの起動とは別に、コロナ対策の換気は必要です。
暖房のはなし~エアコン・床暖房~
エアコン:出典弊社現場
換気と同時に、これからの季節は暖房が欠かせないですね。
暖房機器は様々ありますが、その中でもエアコンの暖房を使う人が多いかと思います。
ただエアコン暖房は、風向きを下向きにしたとしても、いつまでも足元は冷たいという状況になりがちです。これは空気の性質上仕方のない事で、暖かい空気は軽いのでどうしても上に溜まってしまうのです。
特に床に近いペットは、人間よりも寒さを感じやすいでしょう。
また人の健康にとっても、頭が暖かく足元が寒い、という状況は良くありません。
四字熟語で”頭寒足熱”「ずかんそくねつ」という言葉がある通り、頭が寒く足が暖かい状態が健康に良い状態です。
この「上が暖かく下が寒い」という状況を改善してくれるのが、最近家電量販店でよく見かけるサーキュレーターです。
最新のサーキュレーター
出典パナソニック
サーキュレーターは一見すると小型扇風機?のようですが、扇風機の機能とは異なり、お部屋の空気を循環させるための家電です。
エアコンと反対側の位置に、エアコンに向けて(斜め上向け)にサーキュレーターをまわすと、床付近まで暖かい空気が循環し部屋全体を暖める事が出来ます。
暖房の中で一番おすすめなのは床暖房です。
床暖房(施工中) 出典:スリーエスエクノ
ご自宅に床暖房がある方は、エアコンよりもまず床暖房を効かせて頂きたいです。床暖房があるのに使わないという方がよくいますがもったいないです。
床暖房は足元(特に足裏)から身体を暖めてくれるため、健康にも良いです。
もちろん床暖房にもデメリットがあります。床暖房は新築時やリフォーム・リノベーション時に設置するというケースがほどんど・金額も数十万するので、カンタンに設置はできません。また、壊れたときに修理が大掛かりになるデメリットもあります。
暖炉で暖房
暖炉というと皆さんはどういうイメージをお持ちでしょうか?私は、昔のヨーロッパの田舎の煙突がついたお家で、薪を割って火をおこす、というイメージがあります。
薪は今でもホームセンターで手に入れる事は出来ますが、今の時代に、ダミー(外観上の観点から)の煙突のお宅はまれにあっても、煙突の用途を全うしている本物の煙突がついている家は、まずありません。
でも、煙突が無くとも暖炉は備え付けられるのです。
残念ながら薪ではなく、バイオエタノールという植物由来の液体燃料を使うのですが、きちんと炎が燃え盛る立派な暖炉です。また煙や煤(すす)が出ないため、マンションでも設置出来ます。
さらに炎(焚火など)を見る事はリラックス効果にも繋がるそうです。炎の不規則なゆらぎを感じると人間の脳波はα派が増え、リラックス感や人生へ肯定感(ちょっと大げさですが)が増すそうです。
ただ設置費用やランニングコストは、他の暖房と比べると高価になりそうです。
前述の床暖房もそうなのですが、人の身体やこころに良いとされる暖房は、やはり他の暖房より高価になってしまうようです。
しかしこの暖炉は、今後注目されそうな設備です。暖房というより、プラスアルファのリラックス効果が注目されると私は思います。
暖炉 出典エコスマートファイヤー
宣伝になり恐縮ですが、上記の写真の暖炉シリーズは、弊社の新築住宅部門で ”シマイエ” という新築平屋戸建て商品のリビングで標準設置になる予定です。
(現段階では決定ではないですが)
まとめ
暖房をつけて部屋を暖かくしても、換気をするとたちまち寒くなります。換気と暖房は対立するのでいたしかたないのですが、換気も暖房も上手におこないたいものですね。
ひかリノベでは、換気や冷暖房効率も念頭に踏まえてプランを考えております。換気や空調もリノベの重要なポイントという方は、ぜひお気軽にご相談下さい。少なくとも私は大歓迎でございます。
よろしくお願い致します。