2022/1/11
液状化現象とは?物件選びで注意すべきポイント
こんにちは。ひかリノベ広報室です。
いつもスタッフブログをご覧いただきありがとうございます。
液状化現象は皆さまご存じのことかと思います。
大きな地震が起こった際、建物が傾いたり、道路の中のマンホールがせりあがったり、だれしも見たこと聞いたことがあるかと思います。
不動産を購入して建物を建築する場合、地盤の強さや弱さや、液状化の可能性を気にされる方もいらっしゃると思います。
ただどういうメカニズムで液状化が発生し、どのように対策すればいいかを正しく理解されているかたは少ないのではないでしょうか。
そこで本日は液状化現象について解説してまいります。
液状化の定義
まずは「液状化」の定義を理解しておきましょう。
液状化とは安定していた砂地盤が地震の振動によって圧力が加わり液体状になる現象です。
液状化する砂地盤は地下水位が高く水分を多く含んでいます。
地盤が液状化することで、建物の傾斜や沈下、マンホールなどの地下埋設物などの浮き上がりが発生します。
液状化現象による具体的な被害とは
次は液状化現象によって実際にどのような被害が出るか把握していきましょう。
代表的なものは次の6点です。一つずつ解説していきますのでご確認ください。
建物の沈下、傾斜
地盤が液状化することで建物が地面に沈み込んだり、傾いたりします。
建物が不均等に沈下する不同沈下は、液状化がなく軟弱地盤でも発生しますが、傾きが生じることで建物の性能に様々な被害を与えます。6/1000以上の傾斜で健康被害が発生すると言われておりますので気を付けたい被害ですね。
地下埋設物の浮き上がり
マンホールの浮き上がりが主な例です。
液状化した地盤の中に埋設されたマンホールは水よりも軽いため地面から浮き上がってしま います。
マンホールの場所によっては交通を妨げ避難や地下に埋設されている水道やガスといったライフラインの断絶など、2次被害も大きいです。
噴砂・噴水
液状化が発生すると、地震の揺れによって圧力が増した地盤の砂や地下水が地表に噴き出します。
沈下や地割れは液状化以外の原因でも発生しますが、この噴砂・噴水が起きるのは液状化特有です。
噴砂によって自動車や住宅が埋もれてしまったり、噴水した地下水で冠水するといった被害が発生します。
側方流動
液状化によって地盤全体が水平方向に動くことを指します。
これにより、盛り土の崩壊や地滑り、河川や海の護岸のはらみ出し・沈下が発生します。
建物を支える地盤に側方流動が生じると、建物に引き裂かれる力が加わり破損の危険があります。
護岸・擁壁の損傷
港は埋め立てでできている場合が多く、地震によって液状化が生じることがあります。
護岸や擁壁が側方流動や沈下によって損傷し、震災時に津波から内陸を守るという本来の役割を果たせないといったこともありえます。阪神・淡路大震災では、埋立地であるポートアイランドの護岸で側方流動が発生し、最大5メートルもの距離を移動し地盤が海中に流出する被害がありました。
地盤の亀裂
地盤が液状化し動き出すことにより、地面に亀裂が生じます。
亀裂に挟まれ命を落とした被害もありますので注意したい点です。
液状化の被害で有名なのは1964年の新潟地震
液状化現象という言葉は1964年の新潟地震で有名になったとされています。
地震のマグニチュードは7.5、新潟市では震度5強という揺れでした。
揺れの大きさでは阪神淡路大震災や東日本大震災に及びませんが、地盤の液状化現象によって新潟県や山形県などで全壊1960棟、半壊6640棟という被害にあいました。
新潟市中心部は信濃川が流れ、上流から砂を運んでいます。
そうしてできた砂の地盤が地震によって液状化し、鉄筋コンクリート造の建物の倒壊や、地下水の湧水による浸水などの大規模な被害が生じたと言われております。
液状化が発生する条件
液状化が発生する地盤の状態にはいくつかの条件があります。
どんな条件によって起こりうるのか確認していきましょう
砂が堆積している
液状化の条件の一つとして、砂が堆積していることがあります。
粒の大きさの直径が0.075~2ミリの大きさの砂が液状化を起こしやすくなります。
それより小さいものでは粘りが出て砂の粒子がお互いにくっつき合い地震で液状にバラバラになりづらいという性質がございます。
粒の大きいもの(礫、砂利)であれば水はけがよいため液状化がしにくいとされています。
砂がゆるい
砂のかみ合わせが“ゆるい”ことも液状化の条件の一つです。
砂粒の大きさと堆積の締まり具合は、地盤の液状化に対する抵抗力に影響します。
地震による揺れによって圧力がかかり、地盤の抵抗力が勝てば液状化は生じませんが、地震の力が勝てば液状化が発生します。
砂が地下水に浸っている
地下水位が高い(地表から見て浅い)状態で、それによって軟弱な砂地盤が地下水の中に浸っている状態です。
地下水が地面から1メートル程度のものは地下水が高い部類に入ります。
しかし、地下水位は季節や降雨によって変化するため注意が必要です。
地震による振動が伝わる
液状化は地震をきっかけに発生します。
そして、水分を大量に含んだ緩く堆積した砂地盤に地震の揺れによって強い圧力がかかります。
そうなることにより、緩く堆積した砂地盤は砂粒同士のかみ合わせが弱まり地下水の中に浮いた状態となります。
水混じりの砂地盤(個体)が地震の圧力によって砂混じりの液体になってしまうのです。
また、緩く堆積した柔らかい地盤では地震の揺れを増幅させ、それにより液状化の可能性が高まります。
以上条件を紹介しましたが、液状化はこれらの要素が組み合わさり発生するものであるため、一概に軟弱地盤だから、地下水位が何メートルだから発生するなどと断言することはできません。
液状化しやすい土地とは
- 昔、川や沼だった場所
- 埋立地
- 砂丘などが近い場所
- 大きな川が近い場所
- 盛り土・埋め戻した土地(砂利の採掘跡地)
- 昔、液状化を起こした場所
液状化が起きにくい土地は地形区分ではずばり山地や台地です。
これらの土地は200万年前以前に堆積した比較的古く硬い地盤から成り立っていますので液状化が起こりづらいといえます。
液状化を防ぐためには
では、どのように液状化被害を避ければよいのでしょうか?
対策としては、土地の調査と地盤改良が挙げられます。
マンションなどでは難しいですが、戸建て住宅などでは地盤改良などを依頼することも可能です。
最も更地でないとむずかしいので新築限定の対策といえるでしょう。
地震保険で液状化も補償対象となる
意外と知られていませんが、地震保険では液状化も補償対象としています。
1度を超える傾斜、30cmを超える沈下で全損扱いとなり、建物(時価)の地震保険金額の全額の保険金が支払われますので、一生に一度の買い物といわれる住宅購入において不安という方は地震保険もチェックしておくとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
液状化についてメカニズムと対策がわかればある程度避けることは可能です。
ただし、そのような土地は実は当然に高額な土地であることが多いです。
予算と立地、安全性のバランスを考えていくことは住宅を考える大事な要素の一つ。
それをなかなか自分で見出すというのも大変なことです。
自分にあった不動産、土地を探していきたい。そんなお客様はぜひお近くのひかリノベショールームにてご相談ください。