2018/12/15
【板橋区・北区エリアR様邸リノベーションレポート①】ペットとペットアレルギーの共存
こんにちは。設計担当の目黒です。
リノベーションプランを考えるにあたり最初に必ずお客様にお聞きする項目のひとつに家族構成がありますが、家族といえば人だけでなくペットも大切な一員ですよね。
今回ご紹介するR様邸の一番のテーマは『ペットとペットアレルギーの共存』。
大切な家族の一員である猫が自由にのびのびと過ごせる居心地良い場所を作ってあげるとともに、一緒に暮らす猫アレルギーの人にも優しい空間を作る……。
相反するこの難しい課題をどうやって解決したか、順番にご紹介します。
アレルギーでも心地よくペットと暮らしたい!
結婚するのを機会に新居を購入されることを決めたR様。
婚約者の方には長年一緒に暮らしている家族がもうひとり、いや一匹の猫がいました。
でもR様には結婚前から猫アレルギーがあり……。
アレルギーがあるだけで猫が嫌いなわけではないので、自分たちだけでなく、一緒に暮らす猫にとっても居心地良く楽しんで過ごせる空間を作ってあげたい。
それが当初からのおふたりの一番の希望でした。
キャットウォーク
猫を飼っている方なら大半が憧れる(?)キャットウォーク。
猫は高いところに登って上から見下ろしたり佇んだりするのを好む動物なので、高いところに猫のための居場所を作ってあげたくなりますよね。
今の時代に流行しているインテリアスタイルよりも、シンプルで飽きのこないスタイルを希望されていたおふたりなので、キャットウォークもシンプルに空間に溶け込めるようリビングのテレビ台廻りにデザインしました。
単に上に登るためだけの棚板ではなく、一枚一枚の棚板のサイズを少しずつ変えたり、今日はどっちから登ろうかな?と迷ってしまえるよう、ちょっとだけあそびごころを加えています。(どこにあるかわかりますか?)
最上段の両隅だけそこで丸まって佇むことができるように他よりもあえて奥行を少し大きいサイズにしているのですが……
こちらの写真を撮影した日は大きな最上段よりも、上から三段目がお気に入りのようでずっと動いてくれませんでした。笑
キャットウォークを設置した壁には、臭い対策として全面にエコカラットを貼りました。
シンプルを好むR様なので、棚受けのブラケット等を見せないよう壁から棚板だけが飛び出すようにデザインしています。
エコカラットはタイルよりも割れやすく、複雑な形状にカットするのが難しいため、モザイク状のエコカラットを選び、大小さまざまな大きさのキャットウォーク棚板に対応しています。
猫用トイレ
R様邸は木造戸建住宅のリノベーション。
LDKを大空間にしたくても構造的に抜けない柱と筋交いがあったため、それを逆に利用した空間の下部を猫用のトイレスペースにしました。
トイレが丸見えにならないように目隠しが必須ですが自分では開けることができないため、扉の一部を開口して入口に。
上部は猫の餌や砂など猫用グッズを収納する場所になっています。
アクセントウォール
猫用トイレと収納スペースなど、R様邸のリビングには何箇所か色の異なるクロスを使用しています。
空間のアクセントとして色を変えた……のではなく(もちろんその効果もありますが)、一番の理由は「抜けない柱と筋交いのためにできてしまった多くの壁の出隅を、どうやって猫の爪とぎから守るのか!?」という難題から生まれた発想でした。
最初はコーナー材といって出隅を保護するものや、縦枠を取付することも考えたのですが、シンプルを求めるR様のイメージにはそぐわないことや、実際にR様に提案してもイマイチな感じでしたので、一般的なクロスよりも表面強化されているクロスをシンプルに張ることにしました。
(とはいえ所詮はクロスなので、同様に検討される場合は猫の爪とぎから完全に壁を守ることはできないことはご了承くださいね。)
アレルギーへの配慮
結婚前から猫アレルギーのあるR様。
猫と一緒に暮らせないほどではありませんが、ときには体調が悪くなってしまうこともあります。
当初は猫用トイレも人用トイレの中に置く希望だったのですが、購入された物件の間取りでは家中を猫が自由に動けることになってしまうため、体調が悪いときにR様の居場所がなくなってしまいます。
そこで猫の行動できる範囲をLDKに限定し、LDKの中ではのびのび自由に過ごしてもらえるようキャットウォークを設置し、トイレもリビングに置くことにしたのです。
でも、リビングの隣りには食事をするダイニングがあり、同じ空間にトイレがあるのは……やっぱり気になりますよね。
そこで! 猫用トイレ空間には換気扇を設置しています。
どうやって換気しているかについては……
R様邸にはまだまだ多くのこだわりの工夫がありますので、また次の機会にご紹介します!
ペットを飼われている方も、そうでない方も、ぜひ次回を楽しみになさっていてくださいね。