2018/2/2
【鎌倉市S様邸リノベーションレポート③】ライフスタイルに適した床仕様の選択
こんにちは。施工担当の新井です。
今回は、湘南支店施工事例・S様邸パート3≪施工編≫です。
S様のご要望は当初からこの3点でした。
- LDKを床暖房にしたい
- ペットと暮らす
- 床の高低差を少なくしたい
そこで、今回は床の材料や設備の組み合わせについてお話ししたいと思います。
1.床暖房
床暖房には大きく分けて2つの種類があります。温水式と電気式です。
温水式はボイラーなどの熱源で水を温め温水を作り、床下に設置したパイプに流して循環させる方式です。
ボイラーは石油式またはガス式が一般的です。
S様邸では当初ガス式の温水式床暖房も検討したのですが、熱源機をバルコニー等の屋外に置いた場合の配管経路に問題がありました。
構造体である壁に配管を貫通させなければならないため、スリーブ(穴)が必要となってきます。
エアコンの冷媒管用と兼用も可能ですが、こちらのエアコンは今後、使用予定がありません。
そこで、熱源機が不要で、電源が確保できれば設置可能な電気式床暖房システムを採用することにしました。
2.床下地仕様及びフローリング材
マンション等のフローリング貼りを行う場合、注意しなければならないことの一つとして遮音等級があります。
多くのマンションの規約の中で「軽量床衝撃音遮音等級LL-45と同等以上の性能を有する部材を使用しなければならない」というような文言が記載されています。
この基準をクリアさせるためには、
- フローリング材で基準に適合した防音性能のものを使用する
- 床下地となる置床材で防音性能を確保する
という選択肢があります。
このうち、①防音性能のあるフローリング材は、躯体であるコンクリートスラブ面に釘等は使わず接着剤で直貼りするのが一般的です。
今回は床の高低差を少なくしたいというご要望もあり、置床材で防音性能を確保することにしました。
- 床暖房対応品
- ペットに配慮し滑りにくく、汚れに強い製品
が求められます。
3.施工の流れ
それでは実際の施工の流れを見てゆきましょう。
▼こちらの写真は着工前のお部屋です。
まずはフローリングを撤去します。
現況は防音フローリングのスラブ直貼りでした。
防音フローリングは裏面にポリウレタン発砲クッション材があり、これを取りきるのはかなり大変です。
キレイに剥がしたら、水平に注意しながら置床を設置します。
つづいて、置床の上に床暖房シートの下地となる合板を貼り付けます。
床暖房のヒーターとなるシートを敷設します。今回はLDKの3か所に設置しました。
▼こちらはリビングスペース。
▼ダイニングスペース。
▼キッチンスペース。
敷設を終えたらヒーター線を接続し、フローリング貼る前に絶縁の確認をします。
これは施工完了後、床暖房が作動しない場合施工中どの段階でミスがあったのか調べやすくするためです。
この絶縁確認はフローリング施工後も行います。
いよいよフローリングを貼っていきます。
シートの青いラインに接着剤及び釘打ちをします。
誤って黒い部分を傷つけた場合そのシートは使えなくなりますので、その段階で交換が必要となります。
フローリング施工後の絶縁確認、試運転も無事に終え、ついに完了です!
いかがでしたでしょうか?
床は、フローリング材はもちろん、段差・高低差や床暖房等の設備の有無で居住性が大きく変わる部分です。
様々なライフスタイルの中でより良い居住空間のご提案は、ぜひ私達にお任せください。