city factory
エリア | 東京都23区エリア |
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家族構成 | 二人暮らし |
面積 | 53.76㎡ |
間取り | 3DK → 1LDK |
テイスト | シンプル,モダン |
特徴 | 防音ブース |
city factory
A様邸の大きな特徴になっているのが、住戸中央に配したワークスペース。三面の壁と下がり天井に囲まれた、かまくら形状の小空間。スピーカーを使用するため、ワークスペースの壁は遮音施工。住戸中央に配置したのも、隣部屋への音の配慮のため。ただお友達を招いた際は一緒に音楽を楽しめるよう、リビングとつながるスペースとしました。しかし驚くことに、ワークスペース内にいる時の音は鮮明ですが、裏に回ると重低音が弱まり、他の生活音にまぎれるほどの音量になります。
このワークスペースの周囲を、玄関ホール/ランドリー/キッチン/リビング/WICと回遊する間取り。ワークスペースを中央に設けることで、壁や廊下が生まれましたが、そこに収納を置くことで、生活空間はむしろ広くなります。
玄関ホールはマンションには珍しいほど広々とした印象。二手に分かれる廊下の奥行きと広がりと、ゆとりある天井高を確保したことで、実際の面積以上にゆったりと見せています。
このホールに洗面器をしつらえ、帰宅後すぐ手を洗えるように。洗面奥に浴室とランドリーを配し、外汚れを室内に持ち込まないよう計画しました。玄関ホールと直結した水回りは、コロナ禍以降ご要望が増えています。ランドリーの天井はあらわし仕上げで、スタッド(格子状の下地)を物干しに。デザインとしても、インダストリアルなテイストのA様邸にマッチした意匠となっています。
キッチンはランドリーと隣接したレイアウトで、料理と洗濯を同時並行ですすめられる合理的な動線。キッチン背面には、収納スペースを設けました。
リビングを抜けてワークスペースを回り込むと、通路を兼ねたWICが。出す/仕舞う動作がスムーズなオープンクローゼットは、一方で生活感が丸見えになってしまうという課題がありますが、ここでは壁を回り込むレイアウトとすることで、リビング側から自然と目隠しされるよう計画しました。
デザイン面では「町工場をイメージした」というA様。リノベーションでは素材そのものの良さを生かした、作り込みすぎないデザインがご希望でした。象徴的なのが、玄関ホールの洗面器まわりです。プラスターボ―ドをあらわした壁にスクエア型の大型洗面器をそのまま取り付けています。将来DIYで塗装しようとあえて残したプラスターボードですが、お部屋にしっくり馴染んでいるため、しばらくはこの状態を楽しまれるそう。構造現しだけでなくプラスターボード現しも、インダストリアルな意匠として、今後ポピュラーなものになっていくかもしれません。