都市とオアシス
エリア | 東京23区エリア |
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家族構成 | 一人暮らし |
面積 | 75.94㎡ |
間取り | 3LDK → 1LDK |
テイスト | モダン |
特徴 | ペットリノベ,ワークスペース |
リノベ費用概算 | 16,900,000円 |
眺望は最高のインテリア
マイホームを購入するときの判断材料となる、立地と眺望。K様は、この立地と眺望に重点を置き、物件を購入されました。「以前は繁華街に住んでいて、窓からその街並みやスカイツリーが見えていました。でも途中で家の前に大きなビルが建って、景色が一変してしまったんです。そのことがすごくショックで……。次は景色が変わらない場所に住もうと考えていました」
そこでコーディネーターと共に探し出したのがこのお部屋。広いバルコニーにつながる掃き出し窓から景色が抜けるように広がり、見下ろすと大きな線路が入り組んでいます。
「この部屋と同じくらいの値段の部屋があり、どちらにしようか悩みました。その部屋のほうが広く、駅からも近かったのですが、街自体に魅力を感じませんでした。この街は賑やかな活気があり、眺望も最高。線路沿いなので今後も近くに大きな建物が建つ心配もありません」
線路沿いの物件は、騒音が気になるという方も多いですが、実はメリットがたくさん。利便性が高く、人通りが多いので夜道も安心。また音に寛大な住民が多いため、生活音でトラブルになるケースが少ないといえます。そしてK様の言うように、眺望の良さは線路沿い物件の大きなメリットです。
広いバルコニーに繋がる大きな窓の外に広がる、活気あふれる街の景色。この景色を目一杯楽しむために、窓辺にはハンモックを吊るしました。ワイルドなコンクリート現しの天井から吊るされたリラックス感あふれるハンモックや青々としたグリーンが、都会的なデザインの中に生き生きと映えるK様邸は、まさに都心のオアシスです。
海外で体感したキッチン&バスルームに
海外生活が長く、現在も海外を相手にお仕事されているK様。室内にはK様が海外でみつけた、日本の住宅ではちょっと珍しい間取りや設備が採用されています。
玄関を上がって最初に目に入るのは、ホテルのバーラウンジを思わせるアイランドキッチン。ゲストが座るカウンター席は、足が収まるように設計されており、天板裏に足元を照らす間接照明がしつらえられています。キッチン背面に造作したワインセラーも間接照明つきで、底から灯りを受けたボトルが仄かな光をたたえ、空間をオーセンティックに演出します。
キッチンには海外メーカーのガゲナウのIHヒーターに、ミーレの食洗器を搭載。IHヒーターはスイッチがなく、スマートフォンやタブレットのようにタッチパネルで操作して、細かな温度設定やタイマー設定ができる優れもの。コンロも設定に応じて口数を増減でき、多口にして複数の鍋を一度に加熱したり、一つの大きなコンロにして幅広のプレートで調理をしたりと、料理の幅が広がります。食洗器は、大容量で下洗い不要。デザイン性と機能性を併せ持ったキッチンです。
水廻りはトイレ、洗面台、洗濯機置き場、シャワールーム・バスタブが一部屋にまとまった設計。色味を自由に調節できる照明と暖房が完備された、最新の快適さを体験できる空間です。特にガラス張りのシャワールームはK様のお気に入り。中にある鏡は間接照明が搭載されており、鏡をタッチすると周りから光がこぼれます。バスタブの横の壁にある、黒いタオル掛けは、じつはタオルウォーマー。タオルをかけておくと、冷えたタオルも温かく早変わりするアイテムです。
また、日々の家事をスマートにするための工夫も。洗濯干しワイヤー付きのWICをバスルームのすぐ隣に配置しているため、洗う→干す→仕舞うまでの動線がコンパクトに完結します。
面積以上の広さを体感する工夫
約70㎡の広さをもつK様邸ですが、そのお部屋をさらに広く見せる工夫が散りばめられています。
まずご紹介したいのが、K様邸のデザインの要となっている、現しの天井。天井下地を組まないため、天井高を最大限に確保できます。
防火上の規定によりスプリンクラー必須のお部屋であったため、配管が見えてしまうのが難点でしたが、その配管を鉄管とすることでスタイリッシュに変身。細かなデザインにより、繊細かつ迫力のある空間となりました。
次にご紹介したいのが、部屋の所々に現れる鏡。K様邸には3枚の大きな鏡があり、1枚はWICに、もう2枚はこの広いリビングに取り付けてあります。その1枚があるのは、キッチンの奥の壁。玄関から室内に入ると、真正面に鏡があらわれるため、足を踏み入れた瞬間に空間が広がったように感じられます。そしてもう一つの鏡は、ベランダ側の壁にあります。他の窓に紛れているため、一見すると風景が繋がっているかのよう。大きな鏡による視覚効果で、広さ以上の広がりが生まれました。
またリビングに大胆に置かれているベッドにも、空間を広く使うための工夫が隠されています。このベッドヘッドの棚は、じつは愛犬のチコちゃんのお部屋でもあるのです。入り口は自動ドアになっており、チコちゃんの首輪に埋め込まれたセンサーに反応して扉が開きます。そして小部屋の横の壁にはのぞき穴が……! 穴にぴったりと顔がはまるように、チコちゃんのサイズを計算してつくった、見る人が思わず微笑んでしまう仕掛けです。最初は自分の部屋だとわからなかったチコちゃんでしたが、今ではすっかりお気に入りの場所になりました。
そして、K様邸の大きな特徴の一つとなっているのが、部屋の中心に据えられたワークスペース。部屋の半分をガラスが囲んでいるため、個室でありながら、リビングと一体になっているかのような開放感が魅力です。ガラスは防音ガラスを使用しているため、電車の音をシャットアウト。壁面いっぱいの大きさのホワイトボードが備え付けられた、理想のワークスペースです。
バーカウンターのようなキッチン、ホテルライクなバスルームに小さなオフィス。気分転換できるサンドバックにハンモック……と、一つの空間で様々な過ごし方ができるK様邸。バックに広がる景色が街の刻々と変わる表情を伝え、ときに安らぎを、ときに刺激を与えてくれます。