めぐる・つどう・やすらぐ 大人のグレイッシュナチュラル
エリア | 神奈川エリア |
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家族構成 | ファミリー |
面積 | 100.3㎡ |
間取り | 3LDK → 3LDK |
テイスト | ナチュラル |
特徴 | タイル,ダイニングテーブル造作 |
リノベ費用概算 | 15,000,000円 |
笑顔が生まれる「挨拶動線」
I様が住まいづくりで大切にされていたのは、「家族を孤立させない」ということ。家族みんなの声が聞こえるような、にぎやかな空間が理想でした。そのためI様邸は、30㎡の大空間のLDKを中心とした間取りとなっています。「この物件を買う時に決め手となったのが、圧倒的な広さでした。100㎡以上あるので、よくある60~70㎡くらいのマンションでは望めないようなプランもできるなって」。
子供部屋はリビングから続きの空間とすることで、部屋に入る前に家族と顔を合わせて挨拶をする機会がつくられるように。柔らかな曲線を描くアーチの入り口の奥には、旦那様のワークスペースが広がっています。ドアを取り払うことで、お仕事中の旦那様の姿がキッチンからも窺える設計です。
玄関を入ってすぐ左手の洗面室から、LDKへと抜ける途中には、ランドリールームを配置しました。外出から帰ってきたらまず手を洗い、部屋着に着替えてから居住空間へと入る動線となっています。「プランを作った当初は、どちらかといえばアレルギー対策を意識していたのですが、その後新型コロナウィルスの流行もあって、この形にして本当によかったと改めて感じています」。
また、廊下からLDKへと通り抜けできる動線は、風のめぐりをコントロールする狙いもあります。洗面室側とLDK側、両方ともドアを閉めれば、除湿機を効率的に使うことができ、洗濯物が乾きやすく。さらに室内干しによって生じる冷たく湿った空気がリビングに逃げないため、寒い冬も暖かく過ごせます。逆にドアを開け放てば、涼しい風が浴室からリビングへと一直線に流れるため、じめっとしがちな夏も快適に。生活感も上手に隠してくれるランドリールームは、お家の小さな優等生です。
木とグレージュの静かなぬくもり
お部屋全体のテーマはナチュラル、だけど甘さ控えめ。寒色系の色がお好きな奥様のために、アクセントとなる色はグレートーンで統一しています。彩度の低いカラーはクールな印象になりそうですが、広いリビングの床一面にしつらえた無垢材のぬくもりを引き立たせ、洗練された雰囲気のなかに安らぎを感じられる空間に仕上がりました。
「アクセントクロスの色はほぼ設計の宇津木さんに決めてもらいました。私の好みをわかってくれていたので、『これは好みじゃないな』っていう提案は一つもなかったですね。チームの方が皆、自分の家をつくるかのような熱量で私たちの家をつくってくださいました。私のデザインというよりも、みんなで考えて完成したデザインです」。
そしてI様邸の主役となるのは、キッチンの壁一面に貼ったタイル。カーキがかったニュアンスのあるグレージュの色味は、存在感がありながらも、心が柔らかくほぐれていくようなやさしい光をたたえています。ダイニングカウンターは、よくあるキッチン正面ではなく、横並びのレイアウトに。こちらはひかリノベにて造作したオリジナル品です。横づけにすることで、リビング空間の広さを最大限に生かすとともに、キッチンがLDK空間のフォーカルポイントとなり、自然と家族団らんの中心となるような設計となっています。
そのダイニングを照らす光は、温かみのあるオレンジ色。実はこの色にも、設計の細やかな心配りが隠されています。キッチン側の作業スペースは白色の光で、手元まで見やすく。くつろぎのスペースであるダイニング側は、リラックス効果のあるオレンジ色の光と、空間の目的に応じて照明の光を使い分けているのです。
「この家に引っ越してから、以前よりも料理を作るようになりました。広くて自分好みのキッチンだと余裕が生まれて、自然と『今日はちょっと頑張った料理も作ってみようかな』って気持ちになるんです。すぐ横にダイニングカウンターがあることで、料理をしながら話すことができますし。夜は夫婦2人でテーブルに並んでお酒を飲むのが楽しみです」。
「じつは、最初のうちは中古物件を買うことに抵抗があった」という旦那様。マイホームを買うなら絶対中古リノベと決めていた奥様は、旦那様に中古物件を新築同然に生まれ変わらせるフルリノベの魅力を熱く伝えたそう。「中古のフルリノベなら生活同線を考えた間取りにできるし、壁の色なども自由に変えられる。好きな空間で暮らせるから、家で過ごす時間も、気持ちの高まりが全然違うと思ったんです。家事や育児を頑張るためにも、家は好きな空間にしていきたいと伝えました」。
最終的に中古リノベを選択した、いまのご感想を旦那様に伺ってみると、「本当に完璧というか、不満の出ようもないというか。あのとき新築にせず、リノベにして本当によかったと思っています。こういう間取りや内装は、新築ではまずあり得ないでしょう。自分たちの暮らしに合わせて間取りを考えるって、こういうことなんだなって、暮らしはじめて毎日実感しています」。
ご長男も広くなったお家でキャッチボールを楽しめるようになったと奥様。家族の笑顔が、日々の暮らしに癒しを与えてくれます。