住宅購入はあえての増税後がお得?支援策を総ざらい


tax_increase_house

消費税の10%への増税が、いよいよ10月1日に迫ってきました。

まさに今、住宅購入を検討している方の中には、増税前に思い切って買うか、増税後まで待つかのどちらにするか、迷っている方も多いでしょう。

住宅は非常に高額な買い物ですから、その分消費税も高額になります。8%のうちに買ってしまおうと思うのも当然です。
かといって購入を急いだ結果、後で後悔することになるのも避けたいですよね。

今回は、増税前後の住宅購入で押さえておきたい知識と、増税後でもお得に住宅を手に入れるための情報をお伝えしましょう。

(2019年6月6日初出→2019年8月31日更新)

「9月30日」までの引渡しなら8%が原則

原則として、9月30日までに購入し、引き渡しを受けた住宅には、8%の消費税が適用されます。住宅以外のものと全く同じです。
ポイントは、契約日ではなく引き渡し日が基準となること。
登記住宅ローンの契約手続きも、9月30日までに済ませておく必要があります。あまりぎりぎりだと、間に合わず10%の税率になってしまうことも考えられます。

ただし、注文住宅やリフォーム・リノベーションの場合は工事に時間がかかるため、引き渡しが10月1日以降になっても、今年3月31日までに工事請負契約を結んでいれば、例外的に消費税は8%が適用されます。

また、中古住宅を購入する場合、売主によって課税・非課税の違いがあります。
不動産会社などが持主から住宅を買い取って販売すると消費税がかかりますが、不動産会社が「仲介」している、つまり持ち主と買主の個人間売買は非課税になります。

ただし、個人間売買の場合でも、仲介料やローン借入時の事務手数料、登記手数料などは課税対象です。
これらの諸費用にかかる消費税も、9月30日までに契約していれば8%となります。

増税対策で減税や給付金がより手厚く

増税で住宅購入の負担が増えると、増税前に駆け込み需要が急増したり、その反動で増税後は市況が冷え込んだりと、消費者にとっても、住宅業界にとっても不利益が多いため、増税分の負担を軽減する支援策が実施されます。
まずは、既存の制度で増税後に内容が変わる(拡充される)ものをご紹介しましょう。

住宅ローン減税制度

住宅購入や、リフォームの費用を支払うために組んだ住宅ローン(借入期間10年間以上)の残額の1%を、10年間に渡って所得税などから控除する住宅ローン減税制度。この制度が、消費税増税に際して、一部拡充されることになります。

基本的には、2021年の3月まで、8%への増税のときに実施された拡充内容が続くことになります。
普通の住宅なら最大400万円、長期優良住宅や低炭素住宅は500万円が控除されます。

10%への増税にあたってはこれまでの内容に加えて、控除期間を3年間延長し、合計で13年間、ローン控除が受けられる措置が取られます。

住宅ローン減税の控除期間

出典:国土交通省「すまい給付金」ウェブサイト
http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/#article1

対象になるのは、消費税10%で住宅を購入、またはリフォームをして、2020年12月までに入居する住宅です。

控除額は、10年目までは現行の制度と同じ。11年目から13年目の控除額は、以下の通りです。

11年目~13年目の各年の控除限度額

    • A:借入金の年末の残高(上限は4000万円※)の1%
    • B:建物の購入価格(上限は4000万円※)の3分の2%(2%÷3年)

A、Bのいずれか小さい額を控除
※長期優良住宅や低炭素住宅の場合、いずれも限度額は5000万円

A、Bいずれの場合でも3年間で2%が控除されることになります。
つまり、計算上は2%の増税分が手元に戻ってくる、というわけです。

控除額はリフォーム・リノベーションでも同じです。
リフォーム・リノベーションの場合は、次のいずれかの内容で、費用が100万円以上であることが条件です。

  • 増改築、建築基準法上の「大規模な修繕」「大規模の模様替えの工事」
  • マンションの専有部分の床、階段また壁の過半について行う一定の修繕・模様替え
  • 居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
  • 耐震改修工事(現行耐震基準への適合)
  • 一定のバリアフリー改修工事
  • 一定の省エネ改修工事

ただし、省エネ化やバリアフリー化リフォームならば、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」など、別の減税制度のほうがお得になることがあります。
これらの制度は、住宅ローン減税制度とは併用できないので、ご自身のケースにあった制度を利用するようにしましょう。

ひかリノベにリノベーションをご用命いただく際は、設計担当までご相談ください。ご利用可能な減税制度を確認いたします。

すまい給付金

すまい給付金は、住宅を購入した世帯の収入が一定以下の場合、増税による負担を軽くするために現金を支給する制度です。

前述の住宅ローン減税は、所得税などから一定額を控除するため、収入が低いほど効果が小さくなります。それをカバーするためのものとして創設されました。
したがって消費税が非課税になる、個人間売買で買った中古住宅は、給付の対象とはなりません。中古の場合、売主が宅建業者である「再販物件」のみ対象となります。

消費税引き上げに伴う負担増額と、それを緩和するすまい給付金の関係

出典:国土交通省「すまい給付金」ウェブサイト
http://sumai-kyufu.jp/outline/sumaikyufu/index.html

これまでのすまい給付金の支給対象は、収入(目安。夫婦と子ども2人で、妻に収入がない場合の夫の収入額)の上限は510万円。給付金の支給額は最大で30万円でした。

これが、10%への増税に際して、給付対象者の収入の上限が265万円も引き上げられ、775万円に。給付額も最大で50万円となりました。
たとえば2000万円の住宅を購入するとしたら、2%の増税分以上の給付が受けられる可能性も出てくるのです。

なお、収入以外にも、住宅の床面積が50㎡以上、第三者機関で検査してもらっていることなどが条件になります。
また、今回の拡充にあたっては、都道府県民税の所得割額(収入額の目安が650万円以下の場合)が要件として新たに加わります。詳しくは「すまい給付金」のウェブサイトをご覧いただくか、すまい給付金事務局にご相談ください。

贈与税の非課税枠拡充

住宅購入にあたって、ご両親や祖父母から資金援助を受けるという人も多いでしょう。

住宅の購入費用を、ご両親など直系の尊属から贈与で取得する場合、これまでも最大1200万円が非課税となっていましたが、10%への増税にあたり、この非課税枠が拡充されます。

2020年3月までに契約すれば、「質の高い住宅」(省エネや耐震性、高齢者対策がなされている住宅)は3000万円まで、通常の住宅でも2500万円までが非課税となります。

ただし、中古住宅を個人間売買で購入する(消費税が非課税の)場合、上限はこれまで通りの1200万円です。

また、契約した年が遅くなるほど非課税枠は小さくなっていくので、2021年になると従前の1200万円に戻ってしまいます

消費税10%が適用される住宅の購入に際しての贈与にかかる贈与税が非課税となる範囲

出典:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について」
http://www.mlit.go.jp/common/001157471.pdf?_fsi=AUoZRn57

消費税が掛からない個人間取引の中古住宅購入に際しての贈与にかかる贈与税が非課税になる範囲

出典:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について」
http://www.mlit.go.jp/common/001157471.pdf?_fsi=AUoZRn57

新制度「次世代住宅ポイント」に注目

また、新しい制度として「次世代住宅ポイント」制度が設けられます。

かつての「住宅エコポイント」や「省エネ住宅ポイント」と同じように、住宅の新築や購入、リフォームに対してポイントを発行し、発行されたポイント数に応じた商品と交換できる制度です。
新築は最大35万ポイント、リフォーム・リノベーションは最大30万ポイントが付与されます(一定の要件による引き上げの特例あり ※あとで詳しく説明します)。

次世代住宅ポイント制度の発行ポイント数上限

出典:国土交通省「次世代住宅ポイント制度の概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001267870.pdf

次世代住宅ポイント制度の発行ポイント数上限

出典:国土交通省「次世代住宅ポイント制度の概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001267870.pdf

ポイントの発行対象となる住宅は、「2019年4月1日から2020年3月31日の間に工事請負契約を結んで工事に着手し、2019年10月1日以降に引き渡しをうけたもの」。これは新築の注文住宅も、リフォームの場合も同様です。
ただし、工事請負契約を、2018年12月21日から2019年3月31日の間(消費税8%が適用される経過措置期間)に締結していても、工事の着手が「2019年10月1日から2020年3月31日の間」になる場合は、特例としてポイントが発行されます。

発行されるポイントは、住宅の性能やリフォーム工事の内容に応じて点数が決まっており、該当するものがあれば加算されるという仕組みです。
リフォームの場合、窓・ドアの断熱改修や、外壁・屋根・天井・床の断熱改修、エコ住宅設備の設置、耐震改修、バリアフリー改修といった内容がポイント発行の対象となっています。

次世代住宅ポイントの発行対象となるリフォーム工事と、各工事のポイント数

出典:国土交通省「次世代住宅ポイント制度の概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001267870.pdf

家事を「楽」にする設備も対象

特に注目してほしいのが“家事負担軽減設備”。

従来の「住宅エコポイント」や「省エネ住宅ポイント」制度では断熱・耐震改修やバリアフリー化に対象が絞られていましたが、今回の次世代住宅ポイント制度では、ビルトイン型の食洗機や掃除しやすいトイレ、レンジフード、浴室乾燥機、ビルトイン自動調理機能付きのコンロ、宅配ボックスの設置に対してもポイントが発行されるのです(新築でも「オプションポイント」の発行対象になります)。

どの設備も今ではごく普通の存在。リフォームで設備機器を取り換えようと思っている方は、ぜひこの制度を上手に活用してくださいね。

中古住宅+リフォームはさらにポイントUP

先ほど、ポイントの上限は30万ポイントと記しましたが、実はここにも特例が。「若者」(40歳未満)や「子育て世帯」(18歳未満の子どもがいる世帯)は、45万ポイントまで上限が引き上げられます。

さらに、若者・子育て世帯が中古住宅を買ってリフォーム・リノベーションをする場合、工事費用が100万円以上なら10万ポイントをもらうことができます。加えて、上限も60万ポイントまで引き上げられます。

また、若者・子育て世帯以外でも、中古住宅を買ってリフォームする場合は「各リフォームのポイントを2倍カウント」という算定特例があります。
例えば、窓の断熱改修なら1カ所あたり0.4万から4万ポイント、高断熱浴槽や高効率給湯器なら4.8万ポイント。
中古マンションを購入してリノベーションをしようと考えている人にとっては、見逃せないポイントですね。

また、購入する住宅が「安心R住宅」である場合も、上限が30万ポイントから45万ポイントに引き上げられます。

ポイントの「即時交換」は不可

従来の住宅エコポイント制度、省エネ住宅ポイント制度には、ポイントの使い道として「即時交換」がありました。発行されたポイントを、そのまま関連する工事の費用に充てる使い方です。

次世代住宅ポイント制度には、この「即時交換」がありません。
ポイントと交換できるのは「省エネ・環境配慮に優れた商品」「健康関連商品」「子育て関連商品」「防災関連商品」「家事負担軽減に資する商品」「地域振興に資する商品」のみとなります。

結局、ベストな購入時期はいつ?

既に購入したい物件の目星がついていれば、8%のうちに購入を決めてしまうのも良いでしょう。

住宅ローンの金利もまだ低い状態が続いているうえ、住宅購入にはつきものの火災保険料や引っ越しの費用、新しく購入する家電・家具の代金も、8%のうちに契約、あるいは支払ったほうが安くなるからです。
新築の分譲マンションなら、引き渡しもぎりぎり間に合うかもしれません。

では、今まさに物件を探している最中、あるいは物件探しをはじめようという場合はどうでしょうか?

これまで、増税前には「駆け込み需要」が起こるのが常でした。一時的に物件価格が上昇し、増税後はその反動で価格が安くなる、という傾向がありました。
今回は、駆け込み需要がそれほど大きくはないようですが、首都圏を中心にマンション価格の下落傾向が見られるので、増税後のほうがお得に購入できるかもしれません。

また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設工事の影響で、工事費の上昇や人手不足といった現象が起こっています。
当然オリンピックが終わればこの傾向は治まると考えられるので、焦らずにじっくり物件を探すという手もありますね。

「じっくり探す」にもリスクあり?

逆に、のんびりしているとベストなタイミングを逃す可能性もあります。

希望通りの物件を見つけた時、「価格が下がるまで待とう」などと考えていたら、誰かに先を越されてしまうかもしれません。
特に中古マンションは、似たような条件の物件を探すのは難しく、しかも近年は住まいの選択肢として人気も高まっているので、競争率は上昇していると考えた方がいいでしょう。

住宅ローンの金利も、いつまでも低いままとは保証できません。
4月末、日銀は金融緩和策を続けると発表していますが、景気動向によっては緩和策が縮小される可能性も十分にあります。今の低金利状態を想定して資金計画を考えていたのに、金利上昇によってそれが崩れてしまうかもしれません。住宅ローンは融資額が高額なので、ほんの少しの変動でも総支払額への影響は大きくなります。

ここ3カ月は金利がさらに低下し、過去最低水準を更新しました。
ローンの組みやすさでいえば、いまがもっとも「買い時」といえるのかもしれません。

フラット35借入金利の推移

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移」(https://www.flat35.com/files/400343898.pdf

おわりに

増税前に買ってしまうのがいいのか、それとも増税後がベターなのか――最終的には、ご自身で判断していただくほかはありません。
増税前の購入、増税後の購入のどちらにもメリット・デメリットはあるので、希望の物件の種類や、ご自身のライフプランを考えたうえで選択しましょう。

ただし、中古マンション+リノベーションという選択肢を選ぶなら、増税後の契約でも、増税前より費用を抑えることは十分に可能です。
増税後にはリフォーム・リノベーションで使える制度も増えます。これらをちゃんと活用すれば、理想の住まいをよりお得に手に入れられます。

ひかリノベでは、各種の減税制度や補助金活用のご案内、面倒な申請手続きのサポートも行っています。無理のない資金計画を立てるためにも、疑問点などはぜひご相談ください。

【監修】三浦 英樹(ファイナンシャルプランナー)

 

◆関連記事◆

 

住宅購入・リノベーション相談会を開催!

    • 物件のご紹介・リノベーションのご提案
    • 資金計画や住宅ローンのご相談
    • ご利用可能な優遇税制・補助金制度のご案内

……などなど、家づくりに関する疑問やお悩みにお答えする個別相談会を、ひかリノベでは連日開催しております。平日のお仕事帰りでも、ご家族一緒に来て頂ける休日・祝祭日も、ご予定に合わせてお気軽にお申し込みくださいませ。

 

|   一覧に戻る   |

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る