消費税増税目前!8%適用のボーダーラインは「9月30日」


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いよいよ今年、2,019年10月1日に迫ってきた、消費税の10%への増税。
あくまでも「リーマンショック級の事態が起きない限り」は増税する「予定」なので、再び増税が延期される可能性もなくはありませんが、今のところ、増税はほぼ実行されると考えていいでしょう。

さて、今まさに住宅購入を検討している方々は、住宅購入の時期を増税前、増税後のどちらにするか、悩みを抱えているのではないでしょうか。
住宅は非常に高額な買い物ですから、その分消費税も高額になります。
かといって購入を急いだ結果、後で後悔することになるのも避けたいですよね。

今回は、消費税増税が住宅購入にもたらす影響や、増税後でもお得に住宅を購入するための知識をお伝えします。

2019年4月5日初出→2019年6月6日更新

ボーダーラインは「9月30日」

「マイホームは人生でもっとも大きな買い物」といわれるほどですから、消費税が10%に変わることで、消費者の負担は大きく変わります。

基本的に、8%の消費税が適用されるのは、今年9月30日までに「購入する」か、注文住宅やリフォーム・リノベーションなら「引き渡し」を受ける場合。住宅以外のものと全く同じです。

ただし、中古住宅を購入する場合、売主が誰かによって課税、非課税の違いがあります。
不動産会社などが持主から住宅を買い取って販売する場合は消費税がかかりますが、不動産会社が「仲介」している、つまり持ち主と買主が個人で取引するという場合は非課税です(ただし、仲介料やローン借入時の事務手数料、登記の手数料などは課税対象)。

一方で、リフォームやリノベーションの料金は、もれなく消費税の対象となります。
したがって「中古を買ってリノベーション」の場合、中古住宅(個人オーナー)の購入価格に消費税はかかりませんが、リノベーション部分には消費税がかかり、増税の影響を受けるのです。
負担増を避けるためには、9月30日までに引き渡しを受ける必要があります。

リノベーション工事にかかる期間は、規模にもよりますが、フルリノベーションの場合3ヶ月程度。
つまり、「増税前にフルリノベーションを」とお考えの方は、この6月中に請負契約を結び、工事着工を早めたいところです。

3月31日までに請負契約をした場合は10月以降も8%適用

注文住宅リフォーム・リノベーションの場合、増税前に契約しようという人が増え、住宅メーカーや工務店、リフォーム事業者などの受注が一時的に増加する「駆け込み需要」が発生することが予想されます。すると工事に着手するまでに時間がかかったり、完成が遅れてしまうので、結果的に9月30日までに引き渡せないというケースが増えてしまいます。

そのため、3月31日までに工事請負契約を結んでいれば、引き渡しが10月1日以降でもかかる消費税率は8%のままという経過措置が取られました。
3月までに請負契約を結んで家づくりを進めているという人は、引き渡しが10月1日以降であっても、8%と10%の差額を支払う必要はありませんのでご安心ください。

住宅ローン減税制度の控除期間が拡充

これまでも、増税のたびに駆け込み需要が起こりました。
駆け込み需要は決していいことではなく、工事がいつもより大幅に増えるとミスも起こりやすくなります。
購入する側にとって、せっかく手に入れた住まいに施工不良があると不利益になりますし、また引き渡しまでにかかる時間も、普段よりはるかに長くなったりすることもあります。

デメリットも小さくない駆け込み需要を抑えるため、国は2019度の予算に、消費税の増税による「需要変動を平準化する」ための対策を実行する費用として、2000億円以上を盛り込んでいます。
こう書くと、住宅業界向けのような感じもしますが、もちろん住宅を購入する皆さんにとっても、大きなメリットをもたらしてくれるのです。
その一つが、住宅ローン減税の拡充です。

控除期間は10年プラス3年

住宅購入や、リフォームの費用を支払うために組んだ住宅ローン(借入期間10年間以上)の残額の1%を、10年間に渡って所得税などから控除する住宅ローン減税制度。この制度が、消費税増税に際して、一部拡充されることになります。

基本的には、2021年の3月まで、8%への増税のときに実施された拡充内容が続くことになります。
普通の住宅なら最大400万円、長期優良住宅や低炭素住宅は500万円が控除されます。

住宅ローン減税の控除期間

出典:国土交通省「すまい給付金」ウェブサイト
http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/#article1

10%への増税にあたってはこれに加えて、控除期間を3年間延長し、合計で13年間、ローン控除が受けられる措置が取られます。

対象になるのは、消費税10%で住宅を購入、またはリフォームをして、2020年12月までに入居する住宅です。
控除額は、10年目までは現行の制度と同じ。11年目から13年目の控除額は、以下の通りです。

11年目~13年目の各年の控除限度額

    • A:借入金の年末の残高(上限は4000万円※)の1%
    • B:建物の購入価格(上限は4000万円※)の3分の2%(2%÷3年)

A、Bのいずれか小さい額

※長期優良住宅や低炭素住宅の場合、いずれも限度額は5000万円

A、Bいずれの場合でも3年間で2%が控除されることになります。
つまり、計算上は2%の増税分が手元に戻ってくる、というわけです。

控除額はリフォーム・リノベーションでも同じです。リフォーム・リノベーションの場合は、次のいずれかの内容で、費用が100万円以上であることが条件です。

  • 増改築、建築基準法上の「大規模な修繕」「大規模の模様替えの工事」
  • マンションの専有部分の床、階段また壁の過半について行う一定の修繕・模様替え
  • 居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
  • 耐震改修工事(現行耐震基準への適合)
  • 一定のバリアフリー改修工事
  • 一定の省エネ改修工事

ただし、省エネ化やバリアフリー化リフォームならば、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」など、別の減税制度のほうがお得になることがあります。
これらの制度は、住宅ローン減税制度とは併用できないので、ご自身のケースにあった制度を利用するようにしましょう。

ひかリノベにリノベーションをご用命いただく際は、設計担当までご相談ください。ご利用可能な減税制度を確認いたします。

「次世代住宅ポイント」が創設

増税対策の目玉となっているのが「次世代住宅ポイント」制度の創設です。
かつての「住宅エコポイント」や「省エネ住宅ポイント」と同じように、住宅の新築や購入、リフォームに対してポイントを発行し、発行されたポイント数に応じた商品と交換できる制度です。

新築は最大35万ポイント、リフォーム・リノベーションは最大30万ポイントが付与されます(一定の要件による引き上げの特例あり。くわしくは後述

次世代住宅ポイント制度の発行ポイント数上限

出典:国土交通省「次世代住宅ポイント制度の概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001267870.pdf

ポイントの発行対象となる住宅は、「2019年4月1日から2020年3月31日の間に工事請負契約を結んで工事に着手し、2019年10月1日以降に引き渡しをうけたもの」。
これは新築の注文住宅も、リフォームの場合も同様です。

ただし、工事請負契約の締結が2018年12月21日から2019年3月31日の間(消費税8%が適用される経過措置期間)であっても、工事の着手が「2019年10月1日から2020年3月31日の間」になる場合は、特例としてポイントが発行されます。

次世代住宅ポイント発行の対象となる住宅

出典:国土交通省「次世代住宅ポイント制度の概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001267870.pdf

発行されるポイントは、住宅の性能やリフォーム工事の内容に応じて点数が決まっており、該当するものがあれば加算されるという仕組みです。
リフォームの場合、窓・ドアの断熱改修や、外壁・屋根・天井・床の断熱改修、エコ住宅設備の設置、耐震改修、バリアフリー改修といった内容がポイント発行の対象となっています。

次世代住宅ポイントの発行対象となるリフォーム工事と、各工事のポイント数

出典:国土交通省「次世代住宅ポイント制度の概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001267870.pdf

家事を「楽」にする設備も対象

特に注目してほしいのが“家事負担軽減設備”。
従来の「住宅エコポイント」や「省エネ住宅ポイント」制度では断熱・耐震改修やバリアフリー化に対象が絞られていましたが、今回の次世代住宅ポイント制度では、ビルトイン型の食洗機や掃除しやすいトイレ、レンジフード、浴室乾燥機、ビルトイン自動調理機能付きのコンロ、宅配ボックスの設置に対してもポイントが発行されるのです(新築でも「オプションポイント」の発行対象になります)。

どの設備も今ではごく普通の存在。リフォームで設備機器を取り換えようと思っている方は、ぜひこの制度を上手に活用してくださいね。

中古住宅+リフォームはさらにポイントUP

先ほど、ポイントの上限は30万ポイントと記しましたが、実はここにも特例が。「若者」(40歳未満)や「子育て世帯」(18歳未満の子どもがいる世帯)は、45万ポイントまで上限が引き上げられます。

さらに、若者・子育て世帯が中古住宅を買ってリフォーム・リノベーションをする場合、工事費用が100万円以上なら10万ポイントをもらうことができます。加えて、上限も60万ポイントまで引き上げられます。

中古を買ってリノベーション・若者・子育て世帯の次世代住宅ポイント発行の上限(特例による引き上げ)

出典:国土交通省「次世代住宅ポイント制度」(https://www.jisedai-points.jp/user/reform/

また、若者・子育て世帯以外でも、中古住宅を買ってリフォームする場合は「各リフォームのポイントを2倍カウント」という算定特例があります。
例えば、窓の断熱改修なら1カ所あたり0.4万から4万ポイント、高断熱浴槽や高効率給湯器なら4.8万ポイント。
中古マンションを購入してリノベーションをしようと考えている人にとっては、見逃せないポイントですね。

また、購入する住宅が「安心R住宅」である場合も、上限が30万ポイントから45万ポイントに引き上げられます。

ポイントの「即時交換」は認められない

従来の住宅エコポイント制度、省エネ住宅ポイント制度には、ポイントの使い道として「即時交換」がありました。発行されたポイントを、そのまま関連する工事の費用に充てる使い方です。

次世代住宅ポイント制度には、この「即時交換」がありません
ポイントと交換できるのは「省エネ・環境配慮に優れた商品」「健康関連商品」「子育て関連商品」「防災関連商品」「家事負担軽減に資する商品」「地域振興に資する商品」のみ。
ポイントの発行申請は6月ごろから始まる予定ですが、工事費用として使うことができないことは、今のうちから押さえておきましょう。

「すまい給付金」給付額が最大50万円に

すまい給付金」も拡充が決まりました。
すまい給付金は2014年から始まった制度なので、既にその内容をご存知の方も多いとは思いますが、その概略を簡単に説明します。

すまい給付金は、住宅を購入した世帯の収入が一定以下の場合、増税による負担を軽くするために現金を支給する制度です。
前述の住宅ローン減税は、所得税などから一定額を控除するため、収入が低いほど効果が小さくなります。それをカバーするためのものとして創設されました。

したがって消費税が非課税になる、個人間売買で買った中古住宅は、給付の対象とはなりません。中古の場合、売主が宅建業者である「再販物件」のみ対象となります。

消費税引き上げに伴う負担増額と、それを緩和するすまい給付金の関係

出典:国土交通省「すまい給付金」ウェブサイト
http://sumai-kyufu.jp/outline/sumaikyufu/index.html

これまでのすまい給付金の支給対象は、収入(目安。夫婦と子ども2人で、妻に収入がない場合の夫の収入額)の上限は510万円。給付金の支給額は最大で30万円でした。

これが、10%への増税に際して、給付対象者の収入の上限が265万円も引き上げられ、775万円に。給付額も最大で50万円となりました。
たとえば2000万円の住宅を購入するとしたら、2%の増税分以上の給付が受けられる可能性も出てくるのです。

なお、収入以外にも、住宅の床面積が50㎡以上、や第三者機関で検査してもらっていることなどが条件になります。
また、今回の拡充にあたっては、都道府県民税の所得割額(収入額の目安が650万円以下の場合)が要件として新たに加わります。詳しくは「すまい給付金」のウェブサイトをご覧いただくか、専門家にご相談ください。

贈与税の非課税枠が最大3000万円に

住宅購入にあたって、ご両親や祖父母から資金援助を受けるという人も多いでしょう。
住宅の購入費用を、ご両親など直系の尊属から贈与で取得する場合、これまでも最大1200万円が非課税となっていましたが、10%への増税にあたり、この非課税枠が拡充されます。

2020年3月までに契約すれば、「質の高い住宅」(省エネや耐震性、高齢者対策がなされている住宅)は3000万円まで、そうではない住宅でも2500万円までが非課税となります。

消費税10%が適用される住宅の購入に際しての贈与にかかる贈与税が非課税となる範囲

出典:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について」
http://www.mlit.go.jp/common/001157471.pdf?_fsi=AUoZRn57

ただし、中古住宅を個人間売買で購入する(消費税が非課税の)場合、上限はこれまで通りの1200万円です。
また、契約した年が遅くなるほど非課税枠は小さくなっていくので、2021年になると従前の1200万円に戻ってしまいます。

消費税が掛からない個人間取引の中古住宅購入に際しての贈与にかかる贈与税が非課税になる範囲

出典:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について」
http://www.mlit.go.jp/common/001157471.pdf?_fsi=AUoZRn57

まとめ

今、新築マンションを購入しようと決意を固めているなら、8%のうちに買ってしまうのもありでしょう。超低金利といわれる状況が続いていますし、住宅の購入費用以外にも、火災保険料や引っ越し、新しく購入する家電や家具の費用も、8%のうちに契約、あるいは支払ったほうが安くなるからです。

しかし、中古マンションを購入してリノベーションをするとなると、増税後に契約したからといって、必ずしも増税前より費用が高額になるとは限りません。
増税後にはリフォーム・リノベーションで使える制度も増えます。これらをちゃんと活用すれば、増税前よりお得に、理想の住まいを手に入れられる可能性だってあるのです。

ひかリノベでは、各種の減税制度や補助金活用のご案内、面倒な申請手続きのサポートも行っています。無理のない資金計画を立てるためにも、疑問点などはぜひご相談ください。

 

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【執筆】荒井 隆大(ライター) 【監修】三浦 英樹(ファイナンシャルプランナー)

 

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