
住まいを探している方で、新築にするか、中古にするか、迷っている方はいらっしゃいませんか?
費用をかけて新築にするか、費用をおさえて中古にするか、誰しもが一度は悩むところかもしれません。
なかなか決めることができない方は、「リノベーション」を検討に入れてはいかがでしょうか?
この記事では、リノベーションとは何かを解説し、リノベーションの魅力や物件の選び方についてお伝えします。
これを読めば、あなたにリノベーション物件が合っているかどうか分かりますので、ぜひご覧ください。
1.そもそもリノベーションとは
リノベーションとは「住まいを大規模に改修し、新築の頃以上に快適に住みやすくする」ことです。建物の枠組みを元に、間取りやキッチン、バスルームなど、あらゆる設備を一新します。
「リノベーションとリフォームって違うの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょうが、リフォームは「小規模な改修で、壊れたもの、古いものを元に戻す」という意味合いがあり、リノベーションとは規模と目的において違いがあります。
とは言っても、リフォームとリノベーションの違いは曖昧です。詳しく知りたい方は、別の記事「図解で分かる!リフォームとリノベーションの違い」を参考にしてください。
▲リノベーション前のキッチン。
▲リノベーション後のキッチン。コンロの数、ビルトインコンロなど、以前よりも性能がアップしています。
もちろん、キッチン以外の設備も変わっていますが、このように新築の時よりも快適に住めるようにすることがリノベーションなのです。
2.住宅をリノベーションする魅力
ここでは、リノベーションの魅力について見ていきます。
- 新築よりも安く、新築と同様に新しい
- 物件の選択肢を増やせる
- 自分らしい住まいを造ることができる
2-1.新築よりも安く、新築と同様に新しい
立地や築年数にもよりますが、新築と比較して、大体2割引~4割引程度の値段で購入すことができます。
リノベーションは建物の枠組みをもとに設備を一新しますので、新築と同様の新しさを実現できます。
「新築がほしいんだけど、値段が高い気がする」
「中古は他人の生活感があるからちょっと・・・」
と思っていた方は、リノベーションならば解決できるのです。
▲ひかリノベ施工事例。新築と同様の新しさがあります。
▲ひかリノベ施工事例。リノベーションした物件は、デザインが面白いものが多いです。
2-2.物件の選択肢を増やせる
リノベーションは中古物件を買って自分でできるので、中古物件を選択肢に入れることができます。
中古マンションは、新築マンションよりも選択肢が豊富です。
HOME’Sでは、中古マンションは68,085件あるのに対し、新築は1,716件しかなく、その差は40倍もあります。(2016年4月20日現在)
また、リノベーションが済んでいる物件を選ぶにしても、新築より数が多いです。HOME’Sで、リノベーションとキーワード検索すると、8,000件以上がヒットします。(ただし、リノベーションの内容は物件ごとに大きな差がありますので、確認が必要です。)
リノベーション済み物件に住みたいという方は、別の記事「話題のリノベーション物件とは!?安くてキレイの謎に迫る!」をご覧ください。
戸建てに関しては、新築と比べて中古の流通量は多くありません。at homeでは、新築戸建てが124,661件なのに対し、中古戸建ては87,736件です。(2016年4月20日現在)
新築の方が依然として人気があるわけですが、中古戸建て+リノベーションを視野に入れれば、物件の選択肢の幅が大きく広がるのは確かです。
「新築がほしいのだけど住みたい街にめぼしい物件がない」という方は、リノベーションを選択肢に入れると自分の住みたい街に住めるようになるかもしれません。
2-3.自分らしい住まいを造ることができる
リノベーションは、自分の思い通りの住まいを実現することができます。
間取り、部屋のテイスト、キッチンやバスルームの設備、家具のデザインまで、思い通りにすることができます。
「家づくりを楽しみたいけど、注文住宅は高すぎる」という方にはリノベーションが向いています。ぜひ、自分でやってみたいという方は、別の記事「理想の住宅への第一歩!リノベーション向き物件の見抜き方」をご覧ください。
▲リノベーション前。リビングの横に和室が併設されています。
▲リノベーション後。和室がなくなり、リビングダイニングルームが実現しました。
3.リノベーションの注意点
リノベーションを選ぶ際は、次の2つをおさえておきましょう。
- 建物の耐久性に不安がある
- リノベーション済み物件はどこまで変えたかが分かりづらい
リノベーションは、建物の枠組みを利用しますが、築年数が経っている物件の場合は、その枠組み部分の耐久性に不安があります。さらに、耐震は問題ないかなど、一般の方では分かりづらいことは、専門家にチェックしてもらうと安心できます。(ホームインスペクションで5~10万円程度で受けることができます。)
もう一つは、リノベーションが済んでいる物件についての注意点ですが、何をもってリノベーションと言うのか曖昧だという点です。
リノベーションという言葉は各社によってとらえ方が曖昧で、スケルトン状態にまで解体し、あらゆる設備を交換することをリノベーションと言うこともあれば、キッチンやバスルーム、フローリングなどの表層を変えてリノベーションと言うこともあります。
リノベーション物件を購入する時は、必ずどこまでリノベーションで変えたのかをチェックする必要があるのです。
▲表層だけではなく、給水・ガス管など、見えないところは行ったか確認しましょう。
4.リノベーションが注目される3つの理由
最近では、テレビでもリノベーションが紹介されたりするなど、リノベーションがクローズアップされることが増えてきましたが、これには大きく3つの理由があります。
- 中古住宅の再利用
- 新築の減少
- 環境に優しい
リノベーションは、中古住宅を再利用する確かな方法です。
中古住宅(ストック住宅)は、総務省統計局の資料によると、平成25時点で820万戸存在し、全体の13.5%を占めます。10戸に1戸以上は空き家だというわけです。
この数字は、イギリスの3~4%、ドイツの1%前後という数字を考慮すると、高いということが分かります。アメリカは8~10%はありますが、国土が広いこと、人口増えていることを勘案すれば、それほど多くはないのです。(数字は、富士通総研より引用)
また中古住宅流通は、日本では、全体の14%にも満たないのに対し、アメリカでは90.3%、イギリスでは71.1%、フランスでは59.4%あり、中古住宅の流通は欧米と比較して中古物件取り扱いの割合が非常に少ないという現状があります。(数字は、国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」(平成26年6月)より引用)
一方で、新築の建築数にしても、長期的に見て下がることは確実です。
日本の新規住宅着工件数は2015年度、90万9,299件になり、昨年より1.9%増加しましたが、人口や世帯数の減少で、2025年には62万戸に減少すると見られています。(出典元:野村総合研究所)
これからは、中古物件の有効活用と、新築で建てるにしても、20年や30年で価値がなくならないような質の高い住宅が求めれれるようになっていきます。
リノベーションは既存住宅の枠組みをもとに住宅を新しく造りかえます。リノベーションは、環境にも優しく、日本の「もったいない」という精神にもつながる、これからの重要な住まいの選択肢の1つなのです。
5.リノベーション物件に住む方法
リノベーション物件に住む方法は、2つあります。
①中古物件を購入し、業者に依頼してリノベーションをする
②分譲・賃貸に出されているリノベーション済み物件に住む
要は、自分でリノベーションするか、リノベーション済み物件に住むかのどちらかということです。
では、どちらがいいのでしょうか?
- 自分らしい住まいを実現したいなら、中古物件を購入してリノベーション
- お金と時間を節約したいなら、リノベーション済み物件
リノベーションの醍醐味は自分で好きなように間取りやデザインを変えることです。中古物件購入+リノベーションは、新築よりも安価に自分の理想を実現する確かな方法です。それに、家づくりを楽しみたい方には合っていますね。
自分でリノベーションしたいと思った方は、別の記事「理想の住宅への第一歩!リノベーション向き物件の見抜き方」をご覧ください。
この記事では、リノベーションに向いている物件のポイントについて解説しています。お手頃な築年数、間取りを変えやすいなど、リノベーションに向いている物件の構造、それに、購入の際の注意点について書いています。これを読めば、お得なリノベーション向き物件を選べるようになります。
マンションに決めている方は、こちらの記事「最適なリノベーション向きマンションを見極めるポイント4つ」をご覧ください。
次に、リノベーション済み物件です。
リノベーション済み物件は販売業者がお手頃な値段で、費用をおさえてリノベーションしたものです。一般の方が同じリノベーションをするよりも、安価になっています。
それに、リノベーションを自分ですると、工事期間が約1~2ヶ月近くかかってしまいますが、リノベーション済み物件なら契約後にすぐに住むことができます。
お金と時間を節約したいなら、リノベーション済み物件がお勧めだというのはこの2つの理由からです。
リノベーション済み物件に住みたいと思った方は、別の記事「話題のリノベーション物件とは!?安くてキレイの謎に迫る!」をご覧ください。
この記事で、リノベーションが済んでいる物件のチェックポイントが分かります。住みやすさと建物の耐久性をチェックし、安心・快適に住める物件を選んでください。
マンションに決めている方は、こちらの記事「新築よりお買い得!リノベーション済みマンション購入ガイド」をご覧ください。
6.最後に
リノベーションの魅力や注意点、それに、リノベーション住宅に住む方法について見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
リノベーション物件に住む方法は2つあります。自分でリノベーションするか、リノベーション済み物件を購入するかです。
家づくりを楽しみたい方は自分でリノベーション、お金と時間を節約したい方は、リノベーション済み物件を選ぶと良いでしょう。
リノベーションは、大げさでもなく、新築、中古に続く新たな住まい選びのあり方になるはずです。もちろん今もそうなってきていますが、これからもっともっと増えていくでしょう。
ぜひ、一度リノベーション物件を検討してみてください。
この記事が、皆様の理想の住まい選びにお役に立てば幸いです。