住み替えを絶対にあきらめたくない人のための住み替え入門(2015年版)


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その昔に購入した、様々な条件を満たしたお気に入りの住まい。
しかし、長年住むにつれて、少しずつ住まいのニーズが変わってくるものです。

「子供が独立して、部屋をもてあますようになった」「仕事場が遠くなったから引っ越したい」など、住み替えを検討している方には様々な理由がありますよね。

この記事では、住み替えのメリットやデメリット、それに、住み替えの方法や注意点を分かりやすくお伝えします。
これを読めば、不安なく、住み替えることができます。
それに、どういうところに相談するべきかについても記載しておきましたので、住み替えを決めている方も迷っている方も、ぜひご覧ください。

1.住み替えとは

住み替えとは、現状に合った住まいへ引っ越すことで、建て替えも含みます。

住み替えの流れとかかる時間

賃貸から購入した住まいに引っ越す場合は、引っ越すだけで足りますが、持ち家から新たに購入した家に引っ越す場合は、前の家をどうするか考えなければなりません。

住み替えは、新規購入と異なり、売却(賃貸)と購入物件の検討を平行して行うのがお勧めです。

全てが終わるまで、早くて2~3ヶ月、長くて半年位は想定しておきましょう。

決して簡単にできるわけではないので、どういう理由でどういうところに住み替えるか、しっかり考える必要があります。

住み替えを考える6つの理由

住み替えをしている人を一言で言うと、「生活が変わる人」です。

次の資料は、国土交通省の「平成25年 住生活総合調査(確報集計)結果の概要」をまとめたものです。

国土交通省 平成25年 住生活総合調査(確報集計)結果の概要

国土交通省 平成25年 住生活総合調査(確報集計)結果の概要 http://www.mlit.go.jp/common/001104780.pdf

①就職、転職、転勤などに対応(21.7%)
②親、配偶者などの世帯からの独立(21.2%)
③住宅を広くする、部屋を増やす(17.7%)
④子育て・教育の環境を整える(17.6%)
⑤通勤、通学などの利便の向上(13.3%)
⑥親、子などとの同居・隣居・近居(10.6%)

どれも、生活の変化が理由になっているのが分かります。

通勤先や子供の通学先が変わること、それに、出産や子供の独立など、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて行うこと、それが住み替えなのです。

住み替えを検討している人はどれくらいいるか

先ほど紹介した国土交通省の資料によると、今後5年以内に住み替えたい人は11.3%となっています。

「10世帯に1世帯あたりか・・・少ないな。自分には関係ないか」と考えるのは早計です。

この調査は全国9.2万世帯を対象に行ったもので、若い世帯とシニア世帯を区別していません。

矢野経済研究所が発表している資料「シニアの住まいに関するアンケート調査結果2013」によると、子供が独立した60~75歳の中で、住み替えたいと回答した人が3.2%、「将来的には住み替えたい」と考えている人は19.5%、「住み替えたいができないと思う」と答えたのが22.6%に及びます。

つまり、半数近くのシニアは、住み替えを検討しているということです。
たとえ、今は住み替えを考えていなくても、長年住み続けていると、住まいへの想いも変化するというわけですね。
今のうちに、将来の住まいをどうするべきか、考えておくのは決して無駄ではないのです。

2. 住み替え先を決める前に確認しておくべきこと

ここでは、引越し前に確認しておかなければならないこと、それに、引越しと建て替えのメリットについて解説します。

自分の住まいニーズの確認

住み替えを成功させる大前提ですが、自分は何を求めているのか、明確にしておく必要があります。そうしなければ、いろいろな物件に目移りをして、「きれいで広い物件を購入したけど、こんなに広くする必要はなかった」など、後悔しかねません。

まずは、自分は何を求めているのか箇条書きにでもして明らかにしましょう。

①家族に適した広さと部屋割り
②通勤先まで1時間で行ける距離
③スーパーや病院が近くにある場所
④散歩できる場所があると、さらに良い・・・

このように、自分の希望を書いて優先順位をつけていくわけです。それから、物件を探し始めてください。

引越しのメリット・デメリット

引越しのメリットは場所を変えられること、デメリットは生活環境の変化に慣れなければいけないことです。
マンションから一軒家に住み替える場合と、一軒家からマンションに住み替える場合がありますが、それぞれのメリットを考えてみましょう。

◆戸建て→マンションで良くなったこと

①交通が便利になった
②光熱費が安くなった
③平面で生活動線が楽になった
④眺望が良く、バルコニーが快適
⑤鍵1つで外出できる

◆マンション→一戸建てで良くなったこと

①好きな設備を選べる
②子供が走り回れる広さと間取りを自由にできる
③採光が確保しやすい
④駐車スペースが広い
⑤毎月の管理費が楽になった

もちろん、物件次第で長所短所が変わりますので一概には言えませんが、自分がなんで住み替えたいのか、どんな住まいが理想なのかしっかり考えて、一戸建てかマンションかを選択してください。

建て替えのメリット・デメリット

建て替えは、部屋を増やすなど、現状の住まいのニーズに合わせて変えることができます。
場所は今のままがいいけど、住まいを変えたい人に適していますね。

建て替えは、解体してから建てるのに3~4ヶ月かかりますので、工事中は仮の住まいを用意する必要があります。
仮住まいは、近所の不動産屋に探してもらってもいいですが、建て替えを依頼するハウスメーカーに頼むのが一番手っ取り早いでしょう。

3.持ち家の2つの有効活用法

住み替え前の住宅の利用法として、次の2つが挙げられます。

①売却する
②賃貸に出す

そのままにしておくというのもありますが、当然のことながら、税金や維持費を払わなければならないので、積極的な活用をしたいものです。売却と賃貸、それぞれのメリット、デメリットを挙げておきます。

①売却する場合

売却をお勧めできるのは、持ち家に未練がない人、それに、ローンがまだ残っている人です。ここで、売却のメリット・デメリットをまとめておきます。

■メリット
・維持費、税金がかからない
・まとまったお金が手に入る

■デメリット
・売却したら帰ってくることができない
・仲介手数料や登記費用など諸費用がかかる

諸費用で一番大きい額になるのが仲介手数料で、最大で(不動産価格×3%+6万円)+消費税がかかります。

2,000万円で売れたとすると、

仲介手数料:(2,000万円×3%+6万円)=66万円
消費税:66万円×8%=5万2,800円

かなり大きな額になりますので、事前に知っておきましょう。

②賃貸に出す場合

賃貸をお勧めできるのは、持ち家に戻る可能性がある人、それと、借りてくれそうな物件を持っている方です。

持ち家を賃貸に出すメリットとデメリットを挙げておきます。

■メリット
・家賃収入が得られる
・家に戻ることができる

■デメリット
・空室で収入が得られない場合がある
・建物の維持管理にコストがかかる
・家賃滞納などの入居者トラブルが起きる可能性がある

賃貸に出す場合は、借りてもらえるようにリフォームをする必要も出てきますので、注意が必要です。まずは、不動産屋で、どれくらいで貸し出せるか相談してみてください。

 

4.賃貸、売却以外の画期的な選択肢 = JTI

持ち家を賃貸に出すか、売却するか判断が難しい場合に利用したいのが、JTIの「マイホーム借上げ制度」です。

「マイホーム借上げ制度」は、持ち家をJTIに借り上げて運用してもらう制度で、3章で挙げた賃貸と売買のデメリットを解消できる画期的なものです。

①3年毎の定期借家契約なので、3年ごとに再び戻ることができる(売却も可能)
②最低賃料が保証されているので、空室リスクが無い
③維持管理費用は、基本的に借主が負担する
④家賃滞納などの賃借人とのトラブルはJTI側が対処する

さらに、次の家を購入したい人向けに、借上げ制度利用者向けの特別なローンの用意がありますので、費用面で心配な方も相談してみてください。
「家が古くて売れそうにない」「賃貸に出しても人が入ってくれるわけがない」とあきらめる必要はないのです。

こちらはJTIのHPです。50歳以上のシニア世代が対象ですが、物件を借りる方に年齢制限はありませんので、若い世代も住み替えの相談にのってもらえます。
JTIの賃料は、周辺の賃料相場の80~90%が相場になっており、賃貸として人気が出そうな物件なら賃貸に出し、貸し出しにくそうならJTIを利用するのが良いでしょう。

5. 住み替えでローンを利用する際の注意点と減税

住み替えにおいても、最初の住宅購入の時と同様に、頭金はいくら用意できるのか、ローン支払にどれくらい当てることができるかなどを、しっかりチェックをする必要があります。
「3,000万円くらいなら、ローンは組めそうだ」と思っていても、年齢やローンの残債などで組めない場合もありますから、まずは、住宅ローン審査を申し込んでみましょう。

買い替えローンを利用する際の2つの注意点

1回目の住まい購入と2回目の購入で最も異なるのが買い替えローンで、利用するときは、次の2つに注意してください。

①借りすぎない
②期間を延ばさない

(買い替えローンは、前の住まいのローンがある場合に利用することになります。ローンを完済している方は、また住宅ローンを申し込むことになります。)

①買い替えローンは、担保物件の1.5倍から2倍の水準まで借入が可能です。

例えば、2,000万円の担保価値があるマンションへ住み替えたい場合、3,000万円から4,000万円までの借入が可能です。
これは、ローン残債がある場合を考慮しているためです。
ローン残債が2,000万円で、売却価格が1,000万円の場合は、1,000万円の借金になってしまいます。上の例の場合は、3,000万円の融資が出ますので、買い替えローンを利用して住み替えができるわけです。

②買い替えを利用するということは、新規でローンを組むときよりも歳を取っているはずなので、何歳で完済か確認しておいてください。(もちろん、新規で組む場合もそうですが)
定年後にローンが食い込むなら、支払えるかどうか、しっかり想定しておいてください。
不安な人は、このあと紹介するキャッシュフロー表の作成をお勧めします。

住み替えでおさえておきたい3つの減税

住み替えの時に受けられる支援として重要なのが減税で、特に重要なのが住宅ローン減税と譲渡所得税、買い替え特例です。
それぞれについて解説しておきます。

◆譲渡所得税と特別控除

譲渡所得とは、マイホームを売却して得られた収入です。

売却価格 - (取得費 - 売却時の諸費用) = 譲渡所得

この計算で譲渡所得が出る場合は、譲渡所得税がかかります。所有期間が5年以上であれば15%、5年未満であれば30%かかります。
ただし、「居住用財産の3,000万円特別控除」という特例措置があります。
3,000円で購入した物件が4,000万円で売れたという場合は、(諸費用を省いて)1,000万円の譲与所得になりますが、この特例措置を使えば、譲渡所得税を0円にすることができるわけです。
この特別控除は、確定申告で申し込みます。

◆譲渡損失の繰越控除

譲渡所得とは反対に、売却して損失が出た場合に利用できるのが、この譲渡損失の繰越控除で、所得税(最大4年間)や住民税(最大3年間)が還ってきます。
4,000万円で購入したマンションが2,000万円でしか売れなかった場合、(諸経費・減価償却費を省いて)2,000万円の損失が生まれたことになり、この額が控除されるのです。
年収が500万円の人がいた場合は、以下のように計算されます。

1年目 500万円-2,000万円 = -1,500万円 (マイナスなので所得税0円、住民税は前年度の収入にかかるので控除はなし
2年目 500万円-1,500万円 = -1,000万円(所得税0円、住民税も0円)・・・・

こちらも確定申告で申し込みます。

◆住宅ローン減税

住宅ローン減税とは、ローン残高に応じて、所得税が控除される制度です。
住宅ローンが2,000万円残っているとすると、1%の20万円が所得税から控除されます。

入居開始 2014年4月~2017年12月
借入金等の年末住宅ローン残高の限度額 4,000万円(5,000万円)
控除割引 1%
控除期間 10年
最大控除額 年間 40万円(50万円)
合計 400万円(500万円)

()内は、認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合です。

住宅ローン減税を受ける要件や必要書類など、詳細を知りたい方は、「5分17秒で分かる!住宅ローン減税|申込方法&お得な利用法」をご覧ください。

ここで注意しておきたいのが、住宅ローン減税は、譲渡所得の特別控除や、譲渡損失の繰越控除と併用することはできないということです。
譲渡損失は最大4年間利用できますので、残りの6年間は住宅ローン減税を利用できます。
譲渡所得の特別控除と住宅ローン減税のどちらを利用した方がお得かについては計算しなければなりません。
住宅ローン残額×1% と 譲渡所得×15%(30%)のどちらの減税が大きいか計算して、お得な方を申し込んでください。

キャッシュフロー表を作り、自分の将来を想定しておく

住み替えの時に多くの人が金銭面で不安に思いますが、その不安を解消させる方法として強くお勧めできるのが、キャッシュフロー表の作成です。
キャッシュフロー表とは、年齢ごとに収入や支出、ライフイベントを明らかにすることで、家計の地図のようなものです。
育休中はどうするか、定年後は払えるかなど、しっかり整理することができます。それに、どれくらいの資金的余裕があるのかも分かりますので、住み替える前に、一度明らかにしておくといいでしょう。

 

キャッシュフロー表の作り方については、別の記事「住宅ローンシミュレーションで絶対出せない適正借入額を出す方法」を参考にしてください。

6.住み替えを迷っている人の3つの相談先

「自分は住み替えするべきなのか分からない」、「住み替えをしたいのだけど、お金のこととか不安がいっぱいある」など、いろいろな悩みがある方のために、3つの相談先を紹介します。

①一般社団法人「移住・住み替え支援機構(JTI)
②市区町村の相談所
③不動産会社

① 4章でも紹介したJTIですが、こちらは、50歳以上のシニアを対象にマイホームの借上げを行っています。借りたい人には年齢制限がありませんので、どなたでも相談可能です。
ハウジングライフ(住生活)プランナーという有資格者がアドバイスをしてくれます。

②市役所には、住み替え相談所があります。「住み替え先の市区町村名+住宅+相談」と検索すれば、相談策が出てくるはずです。
こちらはさいたま市のHP。入居支援制度があります。

③不動産会社に相談しても、さまざまなアドバイスをもらえます。購入した物件を扱っている会社でも構いませんし、自分が気になった会社で相談してみてください。
お金のこと、住まいのこと、優秀な不動産会社なら、なんでも答えてくれるはずです。セールスされるか不安な方は、まずはJTIや市役所に相談するのお勧めです。

 

以上、住み替えについて見てきましたが、いかがでしたか?
住み替えをした人の9割以上が「住み替えて良かった!」と、満足しているという調査結果もあります。
「本当は住み替えたいけど、大変そうだ」と、住み替えしないまま後悔するよりも、人生を充実させるためにぜひ、初めの一歩を踏み出してみてください。
この記事が、読者の皆様の住まい選びに役立てば幸いです。

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